万葉の時代から人々に親しまれてきた関東屈指の温泉地は、標高800mの地に位置する。シンボルである石段街の途中には、与謝野晶子の「伊香保の街」が刻まれており、その両脇に軒を連ねるみやげ店や飲食店が温泉情緒をいっそう盛り上げる。
JR吾妻線中之条駅からバスで50分ほどの場所にある温泉。江戸時代、旅の行者温泉坊宥明という人が発見した湯と伝えられ、古くは「法印の湯」と呼ばれた。やわらかい湯はアトピーや肌荒れに効果があるといわれている。
国道353号沿いにある日帰り温泉。小野上温泉を引く内湯と露天風呂があり、肌がつるつるになる「美人の湯」として知られている。源泉を配合したローション「湯の華美人」も好評。
名湯と石段街で、湯旅の時を紡ぐ
1400年以上も前に温泉が湧き出したといわれる名湯、伊香保温泉。赤茶色の“黄金(こがね)の湯”が広く知られているが、平成になって新たに“白銀(しろがね)の湯”も開発された。伊香保ではこれらの名湯をゆったり味わうとともに、名物・石段街の散策や竹久夢二記念館巡りなどで、のんびり時を紡ぎたい。