源泉掛け流しが自慢の自然湧出泉
妙高山麓に湧く赤倉温泉は親鸞聖人、奥信濃に湧く野沢温泉は高僧行基の温泉発見伝承があるほどの古湯だ。いずれも世に知られたのは江戸時代、赤倉は高田藩主が温泉開発に乗り出し、野沢は飯山藩主が別荘を建ててからといわれる。以来、この両温泉はスキーリゾートの先駆けとして発展し、温泉旅館の大型化も進んだが、湯量豊富な自然湧出の名湯はいまもなお健在である。
湯けむりたなびく善光寺平の奥座敷
志賀高原の水を集めて流れる横湯川と角間川の渓谷に沿って、9つの温泉が湧き出ている。この総称が湯田中渋温泉郷。約1400年前に発見されたと伝わる湯田中温泉と、神亀年間(724~729)に行基によって開かれた渋温泉が中心で、いずれもひなびた風情漂う共同浴場「大湯」を囲むように大小の宿が軒を連ねている。
千曲川沿いの街と山あいの温泉
50以上の源泉を持つ戸倉上山田温泉は、湯量が豊富で宿の風呂はほとんど源泉掛け流し。美人湯の評判もある。信州最古ともいう別所温泉は、美しい堂宇や塔のある古寺が点在。湯治場で知られる鹿教湯は、町ぐるみで療養と健康づくりに取り組む温泉地。
諏訪湖畔の古湯と高原リゾートの湯
上諏訪温泉は出土品から縄文時代にはすでに利用されていたといわれる古湯だ。とにかく湯量が豊富で、駅やデパート、諏訪湖SA、一般家庭にまで配湯されているほど。蓼科高原の温泉は自然環境が抜群。取り上げた2軒の宿とも渓谷美で知られる景勝地に湧く温泉である
北アルプスを望む松本市近郊の名湯
浅間温泉と美ヶ原温泉は、奈良時代以前からその存在が知られ、湯治場として武士にも庶民にも愛されてきた。どちらも町の高台や旅館から北アルプスの眺めがよく、アルカリ性単純温泉の湯が人気だ。扉温泉は森の中にあって自然が魅力。癒しの温泉地である。
山峡に湧く名湯と高原リゾート温泉
昔から「3日入れば3年風邪をひかない」と謳われた白骨温泉は、天上の楽園・上高地や乗鞍岳の探勝拠点としても絶好の山峡の名湯。一方の大町温泉郷は、立山黒部アルペンルートの開通に合わせて開発された新しい温泉郷。ともに長野を代表する人気の温泉地だ。