黒部峡谷・トロッコ電車
黒部峡谷
トロッコ電車
トロッコ電車
大自然が生み出した絶景を目の前に。断崖絶壁添いのレール、深いV字谷に掛かる橋の上、四季の風景を駆け抜ける黒部峡谷鉄道。
4月末から11月末までの春から初冬にかけて営業される「黒部峡谷鉄道」は、「トロッコ電車」の愛称で親しまれています。愛らしいトロッコ電車は見かけによらずとってもパワフル。出発の宇奈月駅から終点の欅平駅までの20.1kmの間、息を呑むほどの断崖絶壁、急勾配を、ぐんぐん駆け登って行きます。
もともと黒部峡谷鉄道は、1950年代〜60年代の高度経済成長期に、黒部川最上流に「黒部川第四発電所」を建設するにあたり、宇奈月側からのアクセスルートとして開発されました。
当時は電力会社の専用鉄道として使われていましたが、知る人ぞ知る秘境・黒部峡谷を何とか一度でも目に入れたい、と願う一般の人々が多く、便乗の希望が後を絶たなかったため、命の保障はしない約束での便乗を許可していました。
ですが、1968年に三船敏郎・石原裕次郎主演の映画『黒部の太陽』が公開され、黒部ダム建設と黒部川の電力開発にますます注目が集まり、黒部峡谷の観光地としての需要も大きくなった結果、地元からの熱い要望もあり、1971年に「黒部峡谷鉄道」として整備され、広く利用されるようになりました。
トロッコ電車は完全定員制のため、乗車が決まっている場合には、あらかじめチケットの予約をしておくのが良いでしょう。定員いっぱいの場合は、当日乗車したくても乗れないこともあります。
チケットの予約は、電話または郵便、チケットの予約サイトですることが出来ます。
また、車両にはいかにもトロッコな雰囲気の窓のない「普通客車」、寒い日などにオススメの窓付き「リラックス客車」「特別客車」の3種類があります。予約の際、時刻表に客車の種別の記載があるので、確認しましょう。
また、各駅で降りると辺りはもう秘境の風情、山道です。ヒールやサンダルはNG。夏でも長袖や雨具の用意はお忘れなく。軽登山をするくらいの心持ちで行きましょう。季節ごとにおすすめの服装に関しては、公式サイトをチェックしましょう。
【黒部峡谷トロッコ電車】
- 営業期間
- 4月中旬〜11月末
- TEL
- 0765-62-1011(受付時間 9:10〜16:00)
- 公式サイト
- 「黒部峡谷トロッコ電車」公式サイト
黒部峡谷 宇奈月〜柳橋エリア
トロッコ電車に乗車するには、まず「宇奈月温泉」へ。北陸有数の温泉地である宇奈月温泉は、さまざまなグレード・規模の宿・ホテルが立ち並び、黒部峡谷観光の拠点として利用できます。
トロッコ電車に乗車する前日や、観光の後に宿泊するのも良いでしょう。トロッコ電車のチケット予約とともに、宿の予約はお早めに!
さて、いよいよトロッコ電車に乗り込むと、あっと言う間に大自然のパノラマワールドへ!準備万端にして出発しましょう。
宇奈月駅
出発前にお手洗いを忘れずに!
トロッコ電車に乗り込むと、目的の駅で下車するまでの間、トイレに行けません。終点の「欅平」までは約80分。必ず乗車前に、この宇奈月駅でお手洗いを済ませましょう。
また、宇奈月駅構内には、お食事処や喫茶コーナー、売店もあります。
新山彦橋
トロッコ電車に乗ってすぐ現れる赤い鉄橋
宇奈月駅を出てすぐに現れる赤い鉄橋は、黒部峡谷鉄道の中でもシンボル的存在。
まずは最初の渡橋を楽しんで。山々と川面の景色がダイナミックに迫ってきます。
ちなみに宇奈月駅から徒歩3分の「やまびこ展望台」で、この新山彦橋を撮影できます。
猿専用つり橋
野生の猿が湖の対岸まで移動
2001年に洪水対策で竣工された「宇奈月ダム」によって出来た「うなづき湖」の両岸を、野生の猿が移動できるように作られました。
うなづき湖上15m上空を軽々と移動する猿たち。タイミングが良ければトロッコ電車から撮影できます。
宇奈月〜柳橋 周辺の温泉
湖畔の湯「とちの湯」
うなづき湖のほとりの日帰り温泉施設。露天風呂からは、湖の向こう側をトロッコ電車が走る姿を眺められます。
- 住所
- 富山県黒部市宇奈月町温泉字大尾6215
- TEL
- 0765-62-1122
- 営業時間
- 9:00〜18:00 営業期間:4月下旬〜12月上旬
- 料金
- 大人(高校生以上)510円/小・中学生 250円/小学生未満 無料
黒部峡谷 黒薙〜猫又エリア
宇奈月から約25分、黒薙駅手前の「森石橋」を渡ると、北アルプス広域に広がる中部山岳国立公園に入ります。
ここからはさらに、野趣溢れる自然の大パノラマが待ちうけます。
スマホとデジカメの充電をお忘れなく!
黒薙駅
「後曳橋」の撮影スポットのひとつ
黒薙駅ホームや、ホーム付近の車中、また黒薙駅で下車し「山道歩道」を少し登った付近から、「後曳橋」を撮影することが出来ます。
黒薙温泉で入浴をする際は、ここで下車です。
切符販売が無い為、乗車の際は駅員から「乗車駅証明書」を受け取りましょう。
後曳橋(あとひきばし)
峡谷随一の深い谷を渡る鉄橋
黒部川の支流・黒薙川に架かるこの橋は、高さ60M、長さ64Mという、黒部峡谷随一の険峻な谷を渡ります。
渡っている最中に下を見下ろすと、思わず後ずさりしてしまう、ということから、この名前になりました。
黒部川第二発電所
日本の近代モダニズム建築の息吹が聞こえる
1936年に運用開始されたこの発電所は、日本の近代建築の旗手の一人・山口文象の設計。峡谷の景観にマッチする様に真っ白な建築にしたとのこと。バウハウス初代校長・グロピウスのアトリエでも修業した彼の建築のモダニズムの息吹を感じてみてください。
黒薙〜猫又 周辺の温泉
黒薙温泉
慶応4年(1865年)に開かれた秘湯で、黒部川最大の支流黒薙川の谷間に湧く、野趣溢れた温泉。湯量が毎分340Lと豊富で、送湯され宇奈月温泉の湯として使われています。
黒薙駅から20分程ハイキングをして辿り着け、宿泊も出来ます。
- 住所
- 富山県黒部市宇奈月町黒薙5
- TEL
- 0765-62-1802
- 営業時間
- 9:00〜16:00 営業期間:4月下旬〜11月下旬
- 料金
- 大人650円/小人300円
- 公式サイト
- 「黒薙温泉旅館」公式サイト
BIGLOBE温泉「黒薙温泉」ページ
黒部峡谷 鐘釣エリア
付近の山が釣り鐘の形をしていることから、このエリアは「鐘釣」という地名になりました。
黒部峡谷では、河原のあちこちに数多くの源泉が点在していますが、この地に湧く鐘釣温泉もそのひとつです。鐘釣温泉は、加賀藩最後の第14代藩主・前田慶寧の命により、1819年に開湯されました。河原の露天風呂に入ると、底の砂地からぽこぽこと湯が湧いているのがわかります。野趣溢れた秘湯として名湯100選にも選ばれています。
景色・温泉ともに、黒部峡谷でも随一の満喫スポットです。
錦繍関(きんしゅうかん)
黒部峡谷随一の景勝
鐘釣駅直前の「鐘釣橋」一帯は、「錦繍関」と呼ばれる峡谷随一の景勝地。特に紅葉の時期には絶景ポイントに。
河原まで降りると、橋を渡るトロッコ電車と美しい峡谷の風景を写真に収めることが出来ます。
黒部万年雪
いつまでも消えない雪
百貫山に降った雪が急勾配を滑り落ち、谷に折り重なって塊となり、翌年の雪が降るまで溶けずに残っています。5月のゴールデンウィークまでは雪の量も多く、「新緑と雪」の珍しいコントラストを楽しめます。
対岸の展望台から眺めてください。
河原露天風呂
スコップで自分だけの露天風呂を掘ろう
鐘釣駅から徒歩20分。河原に源泉が湧き出ているため、スコップで掘れば、自前の露天風呂を作ることが出来ます。上流のダムの放水の度に壊れるので、その時出来たお風呂は一期一会。
なお、女性は水着着用がおすすめです。※入浴・見学は8:30〜16:00
鐘釣エリアの温泉
鐘釣温泉旅館
河原の露天風呂を管理している旅館。ダムの放水のたびに、旅館総出で露天風呂の修復を行っているそうです。
宿泊はもちろん、予約すれば昼食も可能。お風呂は河原の露天風呂を利用します。
河原で露天風呂を作る際には、釣鐘温泉旅館でスコップを借りられます。
- 住所
- 富山県黒部市奥黒部
- TEL
- 0765-62-1103
- 営業期間
- 5月上旬〜11月上旬(※要問合わせ)
- 公式サイト
- 「鐘釣温泉旅館」公式サイト
BIGLOBE温泉「鐘釣温泉」ページ
美山荘
トロッコ電車「釣鐘駅」となりの宿。宿の温泉からは対岸の万年雪を見ながら入浴ができます。
※2014年度は温泉工事のため、温泉なし。状況はご確認ください。
- 住所
- 富山県黒部市奥黒部
- TEL
- 0765-62-1634(宇奈月事務所)
0765-62-1248(美山荘) - 営業期間
- 要問合せ(昨年度は8月中旬〜11月中旬)
- 公式サイト
- 「美山荘」公式サイト
黒部峡谷 欅平エリア
宇奈月から約80分。トロッコ電車の終着駅である「欅平」は、ますます秘境の態を色濃くします。この周辺は野生動物も多く、サルやカモシカに出会う確率も高くなってきます。もし動物に出会っても、餌付けをしたり、触れたり、脅したりしないようにしてください。
欅平エリアは「猿飛峡」や「奥鐘山」と言った名勝も多く、見所満載です。また、ここから名剣温泉、祖母谷温泉と言った秘湯にもハイキングできます。秘湯めぐりをはじめ、欅平を満喫する際は、時間をたっぷり取っておくことをおすすめします。
また、祖母谷温泉経由で「白馬岳」「唐松岳」への登山ルートもあります。欅平を登山口・下山口として使う場合は、トロッコ電車の時刻や予約を前もって確認・準備しましょう。
猿飛峡
黒部川最狭の川幅と迫力のU字カーブ
黒部川で最も狭い川幅であることから、猿がジャンプして渡れる、とこの名前になりました。急なU字を描いて曲がる水流は、非常に激しく迫力があります。
別名「景雲峡」とも呼ばれ、その壮観さから「奥鐘山」と合わせ国の「特別名勝」に指定されています。
奥鐘山
迫力の大岩壁は雨の日でも絶景
国の特別名勝・特別天然記念物にも指定されている、壮大な岩盤を持つ山。西壁は幅1km、高さ800mにもおよび、ロッククライミングの名所にもなっています。
奥鐘橋越しに見る風景はまさに絵画。雨が降ると山全体が滝のようになり、圧巻です。
人喰岩
まるで岩に食べられてしまいそうな道
大きな岩壁を削り取って通された半トンネル状の通り道。荒々しい岩盤が、まるで通る人を食べてしまいそうに見えることから名付けられました。
名剣温泉・祖母谷温泉へは、この道を必ず通らなければなりません。
欅平エリアの温泉
名剣温泉
欅平から徒歩約15分。「日本の秘湯を守る会」会員の名湯。源泉は1800m上流の祖母谷温泉。なめらかな肌ざわりが特徴の単純硫黄泉で、北陸には数少ない泉質です。峡谷を見下ろす岩盤の上に掘られた露天風呂が評判。
- 住所
- 富山県黒部市宇奈月町欅平
- TEL
- 0765-52-1355
- 営業時間
- 10:00〜15:00
- 営業期間
- 5月下旬〜11月上旬(※要問合わせ)
- 公式サイト
- 「名剣温泉」公式サイト
BIGLOBE温泉「名剣温泉」ページ
祖母谷温泉
欅平から徒歩約50分。愛し過ぎたあまり夫に疎まれ、逃げ出した夫を夜半に追いかけ、谷に落ちた女の執念から湧き出たという民話のある祖母谷温泉。黒部峡谷最奥のこれぞ秘湯、という風情は一度味わうことをおすすめします。泉質は単純硫黄泉で湯量も豊富です。宿泊・休憩が可能。
- 住所
- 富山県黒部市黒部奥山国有林祖母谷
- TEL
- 0765-62-1038
- 営業期間
- 6月中旬〜11月上旬 ※要問合せ
- 公式サイト
- BIGLOBE温泉「祖母谷温泉」ページ
欅平温泉 猿飛山荘
河原展望台の隣にある山荘。欅平駅からも近く、宿泊・休憩が可能です。
温泉は露天風呂で、黒部川の清流を眺めながら浸かることができます。
- 住所
- 富山県黒部市黒部奥山国有林
- TEL
- 0765-62-1004【シーズン中】
076-429-3836【オフシーズン中】 - 営業期間
- 要問合せ(〜11月中旬)
- 料金
- 大人700円/子供400円
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2022年9月28日(水)OPEN!「美肌の湯」として知られる天然温泉大浴場を備えたリゾートホテルで癒しのひとときを
- 住所
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- アクセス
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- 料金
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- アクセス
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- 料金
- 7,560円〜(1人当たり)
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- アクセス
- JR北陸線富山駅→私鉄富山地方鉄道宇奈月温泉行き約80分宇奈月温泉駅下車→徒歩約5分
- 料金
- 6,480円〜(1人当たり)
写真提供:(公社)富山県観光連盟
掲載情報:情報は取材時のものです。宿泊プランによりご利用いただける設備やサービス等が異なることがありますので、予めご了承ください。 掲載内容の最新情報についてはご予約前に必ず各予約サイトにてご確認ください。