ホタルイカ
全身が青白く光る神秘の生き物、ホタルイカ。「富山湾の光る宝石」の旬は3月から6月。幻想的な輝きと美味を味わおう。
幻想的に輝くホタルイカ。春に生まれ、翌春に産卵・生殖を行い、一生を一年で終えるホタルイカは、その生態が謎に包まれています。現在のところは、ルシフェリンという発光物質で、熱を持たない明るい光を4〜5センチの小さな身体の1,000個にも及ぶ発光器官から放ち、身を守ったり仲間と会話をしているのではないか、と考えられています。
日本でホタルイカ漁が盛んな場所のひとつが、この富山湾の滑川市〜魚津市の沿岸地域。普段は富山湾の水深200m〜600mの深海に住んでいるホタルイカですが、3月から5月に掛けての期間を中心に、産卵のために沿岸の浅瀬まで上って来ます。夜の海面に群れをなし、青白く幻想的に光るホタルイカたちの美しい姿は、「ホタルイカの群遊海面」として、国の天然記念物に指定されています。
夜の海で美しい光景を生み出すホタルイカですが、もちろんその味もお墨付き。グリシンやアラニンなどの旨味成分であるアミノ酸が豊富で、濃厚な風味が楽しめます。さらにタンパク質も豊富で、低カロリー。新鮮な刺身など、地元ならではのホタルイカ料理もぜひ富山で味わって。
季節限定!ホタルイカの海上観光
深海の神秘「ホタルイカ」を海の上で見られるのは、4月〜5月の初旬。
「ぶり」「白エビ」と共に「富山県のさかな」に選ばれている「ホタルイカ」。富山でのホタルイカの漁期は、春先〜初夏に掛けての数か月。中でも幻想的な「群遊海面」を見られるのは、4月〜5月の初旬までのわずかな期間だけです。
富山湾沿岸まで押し寄せて来るのは、産卵を控えたメスだけ。オスのホタルイカはほとんど存在していません。オスは、メスと11月〜2月の寒い時期に交接した後、そのほとんどが死んでしまいます。
沿岸に近付いたメスのホタルイカはまるまると太っており、1回に1〜2万個の産卵を、4〜6回ほど行なった後、その生を閉じます。
この最盛期、ホタルイカ漁の最も盛んな滑川漁港では、「ほたるいか海上観光」を開催。早朝の滑川漁港を観光船に乗って出航し、夜明け前の定置網によるホタルイカ漁を見学することができます。当日の海や天候の状況、ホタルイカがどの程度の数浮上して来るかなどによって、光るホタルイカを見られるかは運次第。発光するホタルイカの漁を見ることの出来た人は、幸運と言われています。
ちなみに、平成27年のホタルイカ観光は、4月3日(金)〜5月6日(水)までの毎日開催予定です。
必ず事前の電話予約が必要なので、参加をしたい人は公式サイトを確認の上、申し込みをしてください。
【ほたるいか海上観光】
- 住所
- 〒936-0021 富山県滑川市中川原410 ほたるいかミュージアム
- TEL
- 076-475-0100
- 観覧料金
- 大人:5,000円、小〜中学生:3,000円(幼児乗船不可)
- 出航時間
- 午前3時
- 公式サイト
- 滑川観光協会
絶品!ホタルイカ料理
富山のホタルイカは漁場が近く、鮮度抜群。産卵期に獲るので大きくまるまるとしており、その身体の中にたっぷりと濃厚な旨味を宿しています。アシが速く腐りやすいため、地元以外ではなかなか生のまま味わうことが難しい食材でしたが、冷凍技術が発達した今では、富山から遠く離れた場所でも刺身で食べられるようになりました。とはいえ、やはり獲れたての新鮮なホタルイカは別物。ぜひ、富山で一度、味わってみてください。
ホタルイカの生刺身
鮮度なら竜宮そうめん、丸ごとなら冷凍処理
ホタルイカは内臓に危険な寄生虫がいる可能性があるため、生食は極めて危険。獲れ立ての鮮度を味わうためには、胴から内臓を取り除き、胴部分と足部分に分けて頂きます。足だけの刺身は「竜宮そうめん」と呼ばれています。
また決められた条件下での冷凍処理を施すと、内臓ごと頂くことも可能です。どちらもしょうが醤油がぴったり合います。
ホタルイカの沖漬け
朝獲れホタルイカを漬けダレに
朝に獲れた新鮮なホタルイカだけを使って作る沖漬けは、ホタルイカの魅力がぎっしり詰まった一品に。しっかり冷凍処理をして内臓も残した状態なら、ワタの独特の風味、刺身のような身のちゅるりとした感触も楽しめます。
日本酒・ビールはもちろん、ワインや焼酎にも合う酒の肴になりますが、お茶漬けなどにしても美味です。
茹でホタルイカ
鮮度の良いホタルイカは茹でても新鮮
富山湾で水揚げされたホタルイカのボイルは、まるく太って胴にツヤがあり、足も耳もくるん、と丸まっています。外はプリプリ、中はトロリとした触感です。これは富山湾が漁場に近く、定置網で産卵前の大きく育ったホタルイカを水揚げできるから。
茹でたホタルイカは寄生虫の心配もなく、まるっとそのまま頂けます。
ホタルイカの素干し
酒の肴にぴったり、つい飲み過ぎてしまいそう
生のホタルイカを一度魚醤に漬け込んでから干したもので、ホタルイカの旨味が凝縮され、得も言われぬ味わいに。日本酒にもビールにもぴったり合い、お酒が進むこと請け合いです。
一度トースターなどでさっと炙ると、生臭さが抑えられ風味が増します。お土産にもオススメの一品です。
ホタルイカ寿司
富山寿司の春の定番ネタのひとつ
寿司ネタとして手軽に味わえるのは茹でホタルイカ。まるっと太ったホタルイカを2匹は乗せて頂いてください。富山寿司でも春の時期の定番のネタです。富山ではもちろん生ホタルイカの寿司も楽しめます。
ちなみに手作りする場合には、濃厚な風味を味わうために、酢飯の酢は少し弱めで。
ホタルイカの酢味噌和え
個性の強いお酒も引き立てる春の料理
茹でたホタルイカと、あさつきや菜の花など、風味のある野菜を酢味噌で頂く、春の定番ホタルイカ料理。野菜のほろ苦さとホタルイカの濃厚な風味がマッチし、辛口の焼酎や日本酒、ビールに良く合います。しょうが醤油で頂くのとはまた別に、ホタルイカの美味しさが引き立てられる、オススメの食べ方です。
ホタルイカを味わえる店
割烹 あらき
使う材料は調味料に至るまですべて厳選した富山産。化学調味料は一切使わず、食材本来の美味しさを味わえるお店。春の時期は地元・滑川水揚げのホタルイカの沖漬け、酒盗焼きなど、さまざまな料理が味わえます。
- 住所
- 〒936-0053 富山県滑川市上小泉1841
- TEL
- 076-476-0101
- 営業時間
- 17:00〜21:00(L.O. 20:00)
月曜定休、日曜日は要予約 - 公式サイト
- 「割烹 あらき」公式サイト
「割烹 あらき」食べログ
海老源 海遊亭
大きな水槽に入った富山湾の魚と眺めながら「ほたるいかフルコース」「ほたるいかミニコース」を頂ける、割烹旅館の中のシーフードレストラン。施設が大きく、座敷や宴会場もあるため、法要などのイベントや、大人数での旅行も対応可能。
- 住所
- 富山県滑川市上小泉2155
- TEL
- 076-475-5656
- 営業時間
- 11:00〜14:00/17:00〜21:00 不定休
- 公式サイト
- 「海老源 海遊亭」公式サイト
「海老源 海遊亭」食べログ
パノラマレストラン 光彩
「ほたるいかミュージアム」内のレストランであるため、春の漁期は、ピザやパスタ、「蛍烏賊御膳」などのホタルイカ料理が、味わえます。富山湾や立山連峰を眺められる明るいパノラマビューなのもポイントです。
- 住所
- 富山県滑川市中川原410 ほたるいかミュージアム 2F
- TEL
- 076-476-1370
- 営業時間
- 3月〜8月 11:00〜21:00 (L.O. 20:30)
9月〜2月 11:00〜17:00(L.O.16:30) - 公式サイト
- 「パノラマレストラン 光彩」公式サイト
「パノラマレストラン 光彩」食べログ
ホタルイカについてもっと知る
ホタルイカの身投げ
浜辺で光る、ホタルイカたちの最期のきらめき
産卵のために沿岸に近付き過ぎたホタルイカや、産卵を終えて力尽きたホタルイカが、波で浜辺に打ち上げられる現象を「ホタルイカの身投げ」と呼んでいます。
夜の海岸線に沿って光るホタルイカのラインは、富山湾でしか見られない幻想的な景色です。ただ、いつでもどこでも見られるわけではないため、見ることができたら幸運と言えるでしょう。
見やすいポイント・タイミングと言われているのは、神通川などの河口付近で、天候・海の波の穏やかな日の深夜から未明にかけてです。
砂に打ち上げられてしまったホタルイカは、砂が噛み食べるのが難しいため、打ち上げられる前のホタルイカを、網などですくって取る人も、地元の中にはいるそうです。
ほたるいかミュージアム
名物!「活きたほたるいかの発光ライブショー」
世界で唯一のホタルイカに関しての博物館。ホタルイカの生態の神秘を学ぶことが出来ます。
毎年3月20日〜5月31日の期間は、ホタルイカが発光する様子を見ることができる「発光ライブショー」や、ホタルイカを直接素手で触れるタッチプールが開催されます。
この美術館の設計は、トム・ヘネガン+安藤和浩の「アーキテクチャー・ファクトリー」が担当。建築見学も楽しめます。
- 住所
- 〒936-0021 富山県滑川市中川原410
- TEL
- 076-476-9300
- 営業時間
- 9:00〜17:00
- 入館料
- 大人800円、3歳〜中学生300円(3/20〜5/31)
大人650円、3歳〜中学生250円(6/1〜3/19) - 休館日
- 6月1日〜3月19日の毎週火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、1月最終月曜日から3日間
- 公式サイト
- 「ほたるいかミュージアム」公式サイト
ホタルイカ料理の食べられるおすすめ宿・ホテル
慶応3年から続く名湯「北山鉱泉」と富山の食材を使った料理を満喫。自然の中で静かにゆっくり過ごしたい方にオススメです。
- 住所
- 富山県魚津市北山702 MAP
- アクセス
- JR魚津駅よりタクシーにて約15分。お車の場合、北陸自動車道 魚津ICより車で約12分。
- 料金
- 6,480円〜(1人当たり)
写真提供:(公社)富山県観光連盟
掲載情報:情報は取材時のものです。宿泊プランによりご利用いただける設備やサービス等が異なることがありますので、予めご了承ください。 掲載内容の最新情報についてはご予約前に必ず各予約サイトにてご確認ください。