老舗の和風旅館が多く、湯治場の風情が残る渋温泉。名物は宿泊者なら無料で楽しめる湯巡りで、9つある共同湯のすべてに入ると苦(9)を流して厄除けになるといわれている。
小林一茶ゆかりの地でもある湯田中、老舗旅館が多く湯治場の面影を今も残している渋を中心に、新湯田中、星川、穂波、角間、上林、安代、地獄谷の9つが湯けむりを上げている。
夏は避暑地、冬はスキーのメッカとなる高原リゾート。発哺、熊の湯、幕岩、志賀山、木戸池、ほたる、高天ヶ原などの温泉が湧いている。発哺は噴出する蒸気を釜に溜めるユニークな温泉だ。
湯けむりたなびく善光寺平の奥座敷
志賀高原の水を集めて流れる横湯川と角間川の渓谷に沿って、9つの温泉が湧き出ている。この総称が湯田中渋温泉郷。約1400年前に発見されたと伝わる湯田中温泉と、神亀年間(724~729)に行基によって開かれた渋温泉が中心で、いずれもひなびた風情漂う共同浴場「大湯」を囲むように大小の宿が軒を連ねている。