笹屋ホテルは、当地の大地主で酒造業を営んでいた坂井家15代当主の坂井量之助が私財を投げうって明治26年に温泉開発に成功し、明治36年に開業した宿である。現在の笹屋ホテルは、見事な鯉が群れ泳ぐ池泉庭園を囲むように4階建ての本館と万松閣、7階建ての清涼館、それに木造2階建ての別荘豊年虫と奥別荘で構成する。名園に臨むロビーには客のさまざまな相談に応えるコンシェルジュ・デスクを設けているところにも、老舗の余裕が感じられる。
ロビーから中庭に出たところに建つ別荘豊年虫は、昭和7年築の本格的な数寄屋造りの建物。著名な建築家、遠藤新の設計で、国の登録有形文化財に指定された名建築として知られる。めずらしい名称だが、当宿に滞在して執筆した志賀直哉の短編小説『豊年虫』にちなみ、当初の「乾荘」から改称したもの。造園は遠藤の東大の同期生でもある阿部貞著の入魂の作品で、鯉が群れ泳ぐ庭園がすばらしい。この建築と名園によって、笹屋ホテルには数多くの賓客が訪れるようになり、“信州の迎賓館”と呼ばれた。
笹屋ホテルの源泉は敷地内から湧出する豊富な湯量の良泉だ。これが意匠も材質も異なる「石の湯」と「木の湯」の大浴場と露天風呂、貸切露天風呂にも掛け流しで注がれている。「石の湯」と「木の湯」は午前4時の男女入替制なので、宿泊客は存分にこの名湯を楽しむことができるほか、客室付きの風呂もすべて温泉だ。清涼館7階の最上階に設けられた貸切風呂にいたっては、チェックインからアウトまで独占できるというのもめずらしい。
お客様第一でおもてなしするのが当館のモットーです。私がここに常駐してお客様の旅行のご相談を受けたり、館内をご案内させていただくのもその方針の一環。どうぞ気楽にお訪ねください。(コンシェルジュの矢島俊男さん)
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