玄関を上がると、奥に古風で格調のあるロビーが広がる。ロビーで感じる雰囲気は、大正ロマンがただようこの宿のはじまりであり、象徴といえる。建物が建てられたのは大正5年から昭和の初めにかけて。床材に固い栗の木を使い、柱や壁や天井は杉、欅、檜などの良材。随所に花木のある日本庭園をめぐって、本館と渡り廊下でつながれた20余室の離れが続く。建物の約8割が登録有形文化財に指定された名建築ぞろいだ。
旅館の敷地は約6,500坪。その半分以上を占めるのが建物を取りまく庭園の部分だ。旅館花屋の名称にたがわず、庭を覆う木々には花木が多い。ツツジとサツキを中心として、サルスベリ、キンモクセイなどが季節を彩る。鯉の泳ぐ池があり、離れをつなぐ渡り廊下を歩けば、その風情が堪能できるだろう。そしてもっとも奥まった場所にある山花苑は山野草の宝庫。自然あふれる造りのなかに、ニリンソウやギボウシが可憐な姿を見せる。
大理石風呂が造られたのは本館の建物と同じ大正5年。滑らかな石の肌は気品があるとともに、入浴しても心地よい。浴槽は3つ。2つと1つに仕切り壁で分けられているのは、かつては男女別の浴室として使われていたため。1つの浴室になったいまも分かれたままなのは、大理石の仕切り壁とその上のステンドグラスを壊すのがしのびなかったからだ。その気持ちがわかる造りの美しさ。21時45分まで男性用で、22時から女性用となる。
3ヶ所の共同浴場があるので、それぞれを楽しんでください。どれも個性豊かなお風呂ぞろいで、露天風呂以外は夜通し入浴できます。桜やツツジなど、季節ごとに咲く庭の花もおすすめです。(フロントの中島隆さん)
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