安永年間に仙台藩の御殿湯が設けられたことで知られる。現在も中小規模の旅館が並び、昔ながらののどかな温泉地を形成している。湯治の設備が整う宿も多く、温泉保養に最適だ。
古くから湯治場として有名な山間の温泉で、大半の宿が素泊まり長期滞在の湯治客を受け入れている。自炊湯治専門の宿も何軒かある。町中の商店で食材を買って自炊したり、飲食店ですませたりで滞在費を浮かせて、じっくり時間をかけて湯治するのだそうだ。そのためだろうか町の通りからは落ち着いた生活の匂いを感じる。観光やリラクゼーションを目的とした滞在には温泉旅館やホテルもある。日帰り入浴も多くの宿で可能なので、いろいろな楽しみ方ができる。山形県新庄か宮城県古川から「奥の細道湯けむりライン」(JR地方線陸羽東線)に乗って鳴子御殿湯駅下車。山形側も宮城側も新幹線に接続するが、陸羽東線の本数が少ないため交通の便はよくない。しかしせっかくだからローカル線にゆられて、のんびりと行き来を楽しむことを勧めたい。