鎌倉時代開湯の古い温泉地で、江戸時代には文人墨客、そして長逗留の湯治客でにぎわいを見せた。今でもその当時の名残を感じさせる旧跡が数多く点在し、物静かで落ち着いた雰囲気を味わえる。
住所 | 神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯 |
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交通 | 箱根登山電車箱根湯本駅から箱根登山バスまたは伊豆箱根バス箱根町方面行きで30分、芦の湯下車 |
営業時間 | 通年 |
問い合わせ | 箱根町総合観光案内所 |
お湯の泉質 | その他(単純硫黄泉ほか) |
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源泉の数 | 4 |
お湯の色 | (乳白色) |
お湯のにおい | 硫黄臭 |
源泉の飲泉 | できません |
源泉のpH値 | 中性 |
源泉の温度 | 26~84度 |
じつは小涌谷とか芦ノ湖へは何度か足を運んだことはあるのだが、 この中間点である芦之湯温泉はなぜか通過地点になってしまっていた。 でも、行ってみるとココは歴史ある老舗旅館があって落ち着ける温泉場だった。 その旅館は「松坂屋本店」と「きのくにや旅館」で、松坂屋は創業1662年、きのくに やは創業1715年、どちらも約300年という歴史がある。松坂屋が木戸孝充と西郷 隆盛、勝海舟、山岡鉄舟、その後も皇族や名士が利用したとか。一方きのくにやは 志賀直哉とか滝錬太郎が逗留して文人に愛されたよう。滝がそのときに作った歌が ”箱根の山は天下の剣・・・”と歌われる「箱根八里」だという。たぶん300年の間この ふたつの旅館はしのぎを削ってきたんだろうなぁ~…というのが一見さんの感想(笑)。 どちらも宿泊料金は1万円台。イメージ的にはやや近代的になっている松坂屋と レトロな雰囲気のきのくにやというところかな~。結局、この日はきのくにやの日帰り 入浴1000円で我慢したのだが(笑)、ややぬるめのお湯で、小さめの湯船なので、 日帰り入浴したいなら13時半の開けてすぐの早めがいいよう。宿泊して貸し切りの 檜の風呂は小さめだがレトロな雰囲気抜群でちょっと憧れた。 でも、松坂屋のお風呂は開放的でたっぷりのお湯が楽しめそうなので、やっぱり 甲乙つけがたい。 きのくにやの本館前の資料館は志賀直哉の直筆の絵があったり、古きよき時代の 箱根の日用品など風俗が見られるので、レトロなモノ好きの方は旅館の方に頼んで 見せて貰うといいと思う(↑画像左側の建物が資料館、右はきのくにやの露天風呂)。