宿に入ると、押し花が飾られた明るい畳の玄関で女将が優しい笑顔で迎えてくれる。訪れる人に安心感と安らぎを与えてくれるその笑顔が、この宿のきめ細やかなもてなしの心を物語っている。山野草の名前が付いた25の客室の入口や、館内いたるところに飾られた押し花と生け花は、女将のお手製。花に囲まれ、掛け流しの温泉に浸かり、個室料亭で滋味豊かな料理を楽しむ…。大きな宿では味わえない、家庭的な雰囲気の中で日常を忘却できるのが一番の魅力。
風呂は大理石を敷き詰めた「瑠璃の湯」と瓢箪型の浴槽がある「夢殿」の2ヶ所で、西館と東館にある。それぞれ内湯に続いて庭園露天風呂があり、源泉を掛け流しした天然温泉があふれている。開業時に引いている地獄谷温泉を始め、4ヶ所の源泉から引き湯した温泉は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉と弱塩類泉の2種類。21時で男女が入れ替わるため、宿泊客は効能異なる湯を両方楽しむことができる。
江戸末期に創業した老舗旅館のもう一つの顔は“押し花の宿”。前述した通り、館内には女将手作りの押し花絵がたくさん飾られていて、野に咲く花の美しさを居ながらにして感じることができる。宿泊客には、女将自らが開く押し花教室が大好評だ。20時から約1時間30分、丁寧に教えてもらいながらはがきやマグネット、キーホルダーを製作できる。店では絶対に買えない、自分だけのおみやげ作りにチャレンジしよう。事前に予約が必要で、1回1,500円。
平成21年3月には貸切露天風呂や露天風呂付き客室もオープン、大浴場や露天風呂も広くなります。野に咲く花の美しさを大切に、心づくしのおもてなしで皆様のお越しをお待ちしております。 (女将の宮崎美恵子さん)
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