吉野山の谷間にあり、今も秘湯の趣が漂う。一軒宿「吉野温泉元湯」は島崎藤村が滞在、作品を執筆したことで知られる宿。古くから行者や文人に愛された温泉として歴史を誇る。
山の中の静寂に包まれた、ちょっと鄙びた感が強い島崎藤村も投宿したという由緒正しい古い温泉旅館で,風呂は内湯がひとつだけという素朴さですが、その湯の良さに圧倒されました。薄黄色の湯は肌にやさしく、含鉄炭酸泉の特徴で 湯の花漂いしかも鉄分と炭酸で味はえぐい感じです。浴槽は鉄分の析出物がたくさん付着しており 湯の強さを実感いたします。源泉は炭酸が強くてサイダーの甘さなしというものでしょうか。もともと冷鉱泉なので加温されています。 ちょっとしたハイキングを楽しみたい方は吉野山に登られて、吉水神社へ行く参詣道に入って吉水神社に登る手前に細い道が右にあるので、そこを下って行くと10分ほどで 元湯に着きます。この道はつづら折れになった山道なのですが、景色もよくて山の息吹を存分に吸えるというものです。旅館の庭に大きな池があり、大きな鯉がおりました。吉野山の街道沿いの旅館と違って、静寂そのもの中にいい温泉で、まさしく秘湯です。