岐阜城が山頂に建つ金華山のふもとに広がる温泉。夏から秋の鵜飼シーズンは観光客が押し寄せる。長良川畔に設備の整ったホテルや旅館が建ち、観光、ステイともに充実した温泉地といえる。
何年か前に仕事仲間と出掛けた温泉宿。その地域では有名な宿でした。目の前に長良川の清流が流れ、夜のとばりとともにその瞬間は訪れました。宿の専用桟橋から屋形船に乗り酒を交しながらの鵜飼見物です。歓声とともに上流から篝火を灯した小船が数隻列を組んで見物船の真ん中に登場です。船上の鵜匠が数羽の黒鵜を放つと一斉に川の中へ。篝火の明かりに紐で繋がれた鵜が浮かび上がります。水面からクビを持ち上げた鵜を鵜匠は素早く船上に引っ張り上げ、鵜の口から飲み込んだばかりの鮎を吐き出させます。すると周りの船からヤンヤの歓声。次から次へと鵜を引き上げては鮎を取って行きます。その手際の良さは見事です。小一時間ばかりのそのショウは歓声の内に無事終了。船から上がり宴会場に戻ると取れたばかりに鮎の塩焼きが乗ってました。それを魚にまた飲み直しです。実に夜の長い温泉宿でした。