江戸時代、“伊勢参り”や“熊野詣で”を目的に旅する人で賑わった世界遺産熊野古道にある。平安時代に信仰心の深かった花山天皇が熊野詣でを機に開山した薬師堂の下から湧く硫黄泉はラジウム含有量が高く、古くから霊泉として親しまれている。かつての湯垢離場は時が止まったかのように往時の風情を残し、ひっそりと周囲の自然に溶け込んでいる。せせらぎや鳥のさえずりだけが静寂のなかに響き、心身ともに癒される。