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進化する湯治の宿 〜酸ヶ湯温泉〜(青森県・酸ヶ湯温泉)

■checkポイント■
 ≫≫≫ 酸っぱくて、肌触りまろやかな万病の湯
 ≫≫≫ 国民保養温泉地第一号
 ≫≫≫ 自炊も1泊2食付きもOK!
 ≫≫≫ 温泉療養相談室に看護師が常駐

オススメしたい方
 【ひとり旅、夫婦、家族、グループ】

かつて「三日一巡り、三廻り十日」と言われ、農業や漁業に従事する青森近郊の人が長期の湯治に訪れた酸ヶ湯温泉。その名前は、「鹿湯(しかゆ)」に由来しているそうです。

あっという間に鹿の傷を治したミラクル湯

いまから300年前、貞享元年(1684)年、横内に住む狩人、小山内佐ヱ門四郎が鹿をしとめそこない、手負いの鹿を追って山に入ると、傷を負っていたはずの鹿が岩山を駆け上がり逃げ去った。その俊敏さを不思議に思って周辺を見ると温泉が湧いていて、その湯を「鹿の湯」と名付け、利用したのが始まりとのこと。

現在、「ひば千人風呂」にはいくつかの湯船がありますが、「湯瀧」と書かれた打たせ湯が、「鹿の湯」=元湯だそうです。

「一番いいのが、熱の湯です」と温泉療養相談室の看護師・畑田素子さんに教わって、足元から湧くという「熱の湯」に入ってみました。


足元から湧く「熱の湯」 。夜は青みがかって見え、朝は緑がかって見えました  《写真:野添ちかこ》
酸性だというのに、肌触りは意外にマイルドで、ベルベッドに包まれているような気分。
ただし、実際はpH1.7という強烈に強い酸性なので、そんなに長く入っている人はいないでしょうか。

説明書きには、
「熱の湯(41度)」に5分、「四分六分の湯(43度)」に5分、かけ湯専用の「冷の湯」を頭からかぶり、最後に「湯滝(湯瀧)」へ3分入り、もう一度「熱の湯」に3分入っておしまい。
と書いてあります。
温度が高い「四分六分の湯」が一番温まり効果がありそうですが、そんなことはありません。

「四分六分の湯」はお湯の温度は高いものの、ぬくもりの持続時間は短く、四分から六分の温まり具合になるということで、この名がついたとか。

混浴なので女性にはハードルが高そうですが、冬場はもわっと湯気が立ち込めていますので、案外、すんなりと入れます。

それでも入りにくいという人は、売店で湯浴み着を買って入浴することもできます(水着やバスタオル巻きはNG)。さらに、女性専用時間(夜と朝の8〜9時)もあります。


「玉の湯」の女性浴場  《写真:野添ちかこ》
青森市内から3泊でやってきた女性2人組は「千人風呂には女性専用時間に入って、日中は、女性専用の玉の湯に入っている」と話していました。

混浴といっても、女性客は女性専用時間に入る人が多いかもしれませんね。

2016年と2019年にリニューアル

湯治宿も古いままではなく、進化を続けて快適性がアップしています。

2016年6月には3号館の客室や炊事場、ギャラリーなどを改装し、2019年8月には1号館の客室を改装、ねぶたロビー、御鷹々々サロンを新設しています。


ソファや椅子の座り心地のよい「御鷹々々サロン」  《写真:野添ちかこ》
休憩スペースであるロビーやサロンにはBC工房の無垢のテーブルや椅子が入り、とても快適。湯治宿のサロンだとは思えません。帰りのバスが来るまで、サロンでパソコンを広げて、仕事をしていましたが、寒くないし、WiFiはつながっているし、椅子の座り心地は最高だし、湯治宿もここまで進化したのだと感心しました。これなら、仕事を抱えたビジネスマンが湯治にやってきても不自由ないですね。


「御鷹々々サロン」の畳スペースには座り心地のよい和椅子があって、仕事もはかどります  《写真:野添ちかこ》
「わだばゴッホになる」と言った、青森出身の世界的な版画家、棟方志功さんは酸ヶ湯が大好きで、湯治をしながら作品をつくったそうで、館内には版画や書のレプリカがあちこちに飾られています。


食事処にある棟方志功さんの書のレプリカ  《写真:野添ちかこ》
そのほかにも有名人が数多く訪れています。
プロスキーヤーの三浦敬三さん・雄一郎さん親子は八甲田山でたびたびスキーを楽しみ、敬三さんは「混浴を守る会」の永久名誉顧問に就任されています。

さらに高松宮宣仁様や、ひげの殿下こと三笠宮寛仁様がスキーでたびたび訪れ、高松宮殿下が昭和44(1969)年に滑ったコースが「宮様コース」になっていたり、愛用のスキー板が展示されているなど、皇室ゆかりの温泉でもあります。

夕食付きOR炊事場で自炊もOK

湯治場というと、自分で食材を用意して料理を作らなければいけないと思うかもしれませんが、最近の湯治場は、選択肢が増えています。たとえ湯治棟に泊まったとしても「1泊2食付き」を選択することもできます。 冬の夕食一例は下記のようなメニューです。


12月のある日の夕食一例  《写真:野添ちかこ》
【先付】生子菊花おろし
【前菜】鮟肝煮こごり 蟹錦糸寿司 カレイ胡麻味噌奉書焼き
【造り】海峡サーモン(津軽海峡のニジマス) 帆立昆布〆 鮪
【鍋物】せんべい汁
【焼き】鰤生姜焼き
【温物】鶏肉の朴葉焼き
【洋皿】野菜サラダ
【デザート】リンゴ
見た目は地味に見えますが、やはり北の海で育った旬の海鮮はうまい!

八戸市周辺の郷土料理で、南部せんべいをバリバリと割って、醤油味で煮立てた「せんべい汁」など、青森らしさ満載のお料理が味わえます。


八戸せんべい汁  《写真:野添ちかこ》
建物は建て増しされているので、入り組んだ造りになっていますが、昭和11年頃にできた2号館が最も古いものの、2016年と2019年に大きくリニューアルが施されました。

今回宿泊したのは3号館の6畳間。
上記でご紹介したような会席料理を食べられますし、客室内にトイレや洗面スペースなど水回りもありますので快適です。
ポットの水は空なので炊事場で汲んできて沸かせばお茶も飲めます。


客室はトイレ付き。布団は用意されていました  《写真:野添ちかこ》
2019年8月にリニューアルした1号館の客室7室は、ベッドのある客室。
フロントからエレベーターで車椅子利用もできるバリアフリールームもあります。
お客様の高齢化に伴って、湯治宿も日々進化を続けています。


2019年に改装したベッドルーム。「アカゲラ」など鳥の名前がついています  《写真:野添ちかこ》

酸ヶ湯温泉

  • 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
  • 全130室
  • 1泊2食 12,250円(消費税・入湯税込)〜(一人宿泊可能)
  • IN 15時/OUT 10時


写真と文・野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)

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