■checkポイント■
≫≫≫ 絶景の川沿い露天風呂に入れる
≫≫≫ 料理自慢の宿
≫≫≫ 天然鮎が絶品
≫≫≫ 素泊まりから1泊2食まで
オススメしたい方
【グループ、家族、一人旅】
12月になると、川の中に巨大な露天風呂が出現する和歌山県・川湯温泉。
露天風呂の大きさは、幅40m、奥行き15m、深さ60cmにもなり、
1000人入れる巨大さから「仙人風呂」と命名されています。
「例年、仙人風呂が開設されるのは12月1日〜2月末日ですが、昨年(2018年)は12月22日に開始しました。その年の天候や水量など状況によって、開始日は変わります」(熊野本宮観光協会の担当者)。
川の水を引き込んだワイルドな露天風呂
仙人風呂のない10月や11月はつまらない?
いえいえ、そんなことはありません。
仙人風呂が出現する前にも入れるのが、
旅館や民宿が開設している宿泊者専用の露天風呂です。
熊野川の支流・大塔川がすぐそばを流れる絶景を眺めながら入浴することができます。
宿で貸し出してもらったピンク色の湯浴み着に着替え、鉄橋を渡って露天風呂へとやってきました。
露天風呂の周辺には囲いも脱衣所もないので宿で着替えてから移動するとよいでしょう。
階段を下りると、幅5×奥行き6mの露天風呂がありました。
川の中から湧き出す源泉は70℃超。温度を下げるために川の水がポンプで引き込まれているものの、熱くて入れません。
源泉が注がれるホースを外してしばらく待ってから、やっと入浴することができました
熊野本宮観光協会のホームページによると
川の底から湧き出す源泉はナトリウム-炭酸水素・塩化物泉。
10分も入っていると十分に体が温まりました。非常に気持ちがよい源泉です。そのままタオルを肩にかけ、宿の浴室まで戻りました。
鮎は天然もの。刺身も新鮮そのもの
「地元の人が会合を開くときには大体、立石さんを選ぶんですよ」。
そう話すのは、熊野古道歩きに同行してくれた地元の人。料理に定評がある民宿なのだといいます。
夕食は地のもの中心の和食会席。
熊野牛や紀州うめどりといったブランド肉は鉄板焼きや鍋で、
天然鮎が塩焼きや天ぷらで出てきます。
天ぷらは小ぶりでしたので、「天然物ですか?」と質問すると、
「朝4時に獲ってきたのよ」と女将さんがニッコリ。
クジラは別注料理ですが、
捕鯨発祥の地、太地町出身の女将のつてで、新鮮でいいものが手に入るとか。
ミンククジラとイワシクジラという2種類のクジラを生で食べ比べたのは、初めての経験でした。
落ち着いた和室。一人旅もOK
今回は大人数での宿泊でしたので、6畳二間続きの別館に隙間がないほどに布団を敷き詰めて、賑やかな滞在となりました。
しかし、この宿は少人数でゆったりと過ごすのがよさそうです。
8畳の和室のほか、4.5畳や6畳の和室もあり、一人料金も設定されているので一人旅も快適です。
かけ流しの温泉と地場の料理を楽しみ、かつリーズナブルに宿泊したいときに利用してみてはいかがでしょう。
民宿立石
- 和歌山県田辺市本宮町川湯1402
- 全8室
- 1泊2食 8,000円(消費税・入湯税別)〜
- IN 15時/OUT 9時30分
写真と文・野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)