■checkポイント■
≫≫≫ 和室あり、ベッドルームあり
≫≫≫ 女性ひとり旅も快適
≫≫≫ 加水、加温なしのかけ流し温泉
≫≫≫ 地場の食材を使った料理がおいしい
オススメしたい方
【ビジネスマン、おひとりさま、家族連れ】
どんなに疲れて帰ってきても、かけ流しの温泉が待っている。そう思ったら仕事も頑張れる――。
温泉付きビジネスホテルは、出張族の心強い味方です。
山梨県・甲府市の「湯村ホテルB&B」は割と早い段階で和の旅館から1泊朝食(Bed &Breakfast)スタイルの提供を始めたホテル。99室ある客室のうち80室がシングルルームで、出張などビジネスマンも利用しやすい価格帯です。
このホテル、痒い所に手が届く、心憎いサービスの数々がすごいんです。
館内は旅館みたいに浴衣とスリッパで歩いても大丈夫。
客室内にはズボンプレッサー、映画も見られるVODルームシアター、イオンドライヤーなど快適に過ごせる備品が用意されています。
湯上がり後には無料のマッサージ機、フットマッサージがあって、お疲れビジネスマンにはありがたい限り。さらに、長期滞在用にコインランドリーはあるし、自炊用のキッチンに調味料まで完備。売店にはお酒とともにウコンまで置いてあります。
さらに、金・土・日曜の夜は観光客用に、夕食バイキング時にピアノの生演奏もあるそうです。
館内の掲示物は、おもてなしの心が溢れてて、温かい気持ちになれます。
かけ流しの温泉に電気風呂
この宿の醍醐味は、かけ流しの温泉を注ぐ男女別の大浴場。
真言宗の開祖と言われる空海こと弘法大師が発見し、開湯1200年といわれる湯村温泉。戦国武将、信玄公もこの湯につかったそうです。
露天風呂には、電気風呂があって、「しびれ湯」と書かれています。
電極板が貼られた電気風呂の真ん中に体を入れて、徐々に近づけて行くと、患部がびりびりとします。
腰や足、肩など凝った部分を当てると、体の痛みが軽減したように感じました。
この「しびれ湯」、クセになりそうです。
「志磨の湯」の泉質名はナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉。
源泉温度は45.8度、湧出量は毎分90リットル。昔の看板には、「43度130リットル」と書かれていましたので、少し湯量なども変わったようですが、この大きさの浴槽ならば十分な湯量でしょう。
ph8.5のつるつるする柔らかな肌触りの美肌の湯。とても気持ちよくて1日の疲れがとれました。
飲泉所では紙コップで飲泉もできます。
せっかく泊まったなら、別館にある「かくし湯」にも行ってみましょう。
こちらに入れるのは、宿泊者のみ。別館の奥にありますので忘れずに行ってみてください。
朝食バイキングもすごいんです
ビジネスホテルに泊まると、まず仕方ないと諦める朝食メニュー。
所詮、ビジネスホテルだもの。料金も安いから、中身までは求められない。食べられるだけでいい。
そんな諦めの気持ちにもなるものですが、このホテルの朝食バイキングは県内産の食材を積極的に使い、おいしい手づくり料理が並んでいます。
ホームページにも「冷凍食品は原材料レベルのものを除いてほとんど使いません。朝食の惣菜やシューマイやコロッケなどは信頼できるお店に依頼してお作り頂いております」と紹介文がありました。
切り干し大根やひじきの煮物、大豆の五目煮など手づくりのお惣菜が目白押し。
例えば、生卵は「明野の新鮮卵」。
手づくりハムやソーセージは「白州フランク」さんのもの。
豆腐は県内大豆を使った「川口屋」のもの。
スクランブルエッグも明野の卵を使ってあるというから、冷凍モノじゃないんですね。
味噌汁の出汁には「荒川栄次郎商店」の天然鰹だしが使われているなど、安心・安全なおいしい朝食が食べられるのはありがたいですね。
コーヒーは豆屋さんが自家焙煎したものを使っていて、これまた美味しい。
さあ、今日も一日お仕事頑張ろう!
写真と文・野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)