氷瀑を見に行こう。冬こそ、奥入瀬！～星野リゾート　奥入瀬渓流ホテル～（青森県）

渓流と滝、岩、苔、森。
生命力溢れる芽吹きの季節や深い緑に包まれる涼やかな夏、黄金色に輝く秋こそ、奥入瀬渓流のベストシーズンだと思っていたけれど、銀世界に包まれる神秘の森には、これまで見たこともないような別世界が広がっていました。冬こそ、奥入瀬渓流へ。奥入瀬渓流ホテルなら、冬のアクティビティが目白押しです。

ネイチャーガイドが、バスで奥入瀬渓流の見所に連れて行ってくれる無料の「冬の奥入瀬渓流ガイドツアー」もありますが、オススメは夜の「氷瀑ライトアップツアー」（1080円）。そのほかにも「奥入瀬ランプ制作」（5000円）や「八甲田山樹氷シャトルバス」（2700円）、さらには十和田湖や蔦の森へとスノーシューで足を伸ばす「冬の国立公園プライベートツアー」（12000円）などさまざまなアクティビティが用意されています。まずはウインターリゾートらしく、ラウンジで寛ぎましょう。

暖炉のある「ラウンジ森の神話」では、お茶だけでなくスイーツもいただけます。
「幸福りんごのミルフィーユ」はパイ生地と薄くスライスした生リンゴを重ねて、りんごの酸味とクリームのほどよい甘みが口の中に広がります。
窓の外には心おだやかになる雪景色が広がり、優雅なティータイムが過ごせることでしょう。

荷物を客室へと運び、夕食後のアクティビティに備えます。
ベッドのマットレスにはエアウィーブが採用されていたり、
大きな座面でくつろげる「渓流ごろんとチェア」が置かれていたり、とても快適です。

冬の奥入瀬渓流というと、「かなり寒い」と思われるでしょう。
しかし、館内は温かいので厚着をしなくてOK。作務衣にスリッパで歩けて、非常に快適です。

りんごづくしのブッフェメニュー

奥入瀬渓流ホテルの看板レストランといえば、インテリアも食材もりんご尽くしの「青森りんごキッチン」です。

冷製から温製、デザートまで５台のブッフェテーブルに80種類以上のメニュー。
定番のローストビーフや鮮魚のカルパッチョ、生野菜サラダのほか、せんべい汁や鶏とりんごのクリーム煮など、青森らしいメニューが並びます。

デザートの熱々アップルパイは、自分でソフトクリームを巻いて出来上がり。
量より質を重視した、美しいブッフェ料理でした。

夕食後の20時～は、「森の学校」です。
星野リゾートの宿といえば、知的好奇心をくすぐる講座が各宿で行われていますが、森の学校の今回のテーマは「奥入瀬渓流の楽しみ方」と「人は冬眠できるのか？」の2本立て。

1万5千年前に誕生した奥入瀬渓流の春夏秋冬の自然美を辿り、ルーペで氷の結晶を見るなどこの時期ならではの森の楽しみ方を教わります。

動物の冬眠については、おぼろげながらしか知らなかったけれど、体温を外気温に応じて38℃から33℃に下げるクロクマや、37℃から５℃に下げるシマリスの生態などを教えてもらい、ちょっと森に詳しくなった気分。「冬眠の不思議が解消されたら、老人の寝たきり解消や骨粗しょう症、宇宙飛行時の障害予防につながるかもしれない」という仮説を聞いて、大満足な無料講座でした。ネイチャーガイドや地元写真家などが持ち回りで毎日開催しているそうです。

いざ、氷瀑ライトアップツアーへ

奥入瀬渓流には14本の滝がありますが、滝の見頃は夏と秋だけではありません。
冬は幻想的な氷瀑のライトアップが楽しめるんです。
さあ、暖かい恰好に着替えて、氷瀑のライトアップツアーへと出かけましょう。

このツアーは、十和田市との共催。ネイチャーガイドの説明を聞きながら、国立公園内の３つの滝・名所を巡ります。

まずは、青い色に照らされた「馬門（まかど）岩」。幻想的な光の芸術が目の前に浮かび上がってきます。

落差がある滝や水量がある滝は凍らないので、氷瀑ライトアップツアーでは小さな滝が主役です。

国立公園内という環境に配慮し、ライトアップは常設ではなく、このツアーのためにライトを積んだ車が帯同して、照らしてくれます。

次は「千筋の滝」。夏は水量が少ない小さな滝ですが、冬はご覧の通り。
黄色や赤色にライトアップされて綺麗なんです。こんな自然の造形美はこの時期ならではの限定です。

最後に冒頭の写真にある「三乱の流れ」を見学しました。

気温は摂氏マイナス7度。
外に出ている時間はほんの5分程度なので、空気は冷たいけれど、手袋やマフラーでしっかり防寒すれば大丈夫です。

今年2年目のこのツアー、かなりの人気だそうですので、宿泊予約時にぜひツアーの予約も入れましょう。実施は2019年1月5日～3月17日、参加料金は1080円です。

ライトアップツアーで冷えた体を温めるにはやっぱり温泉。
渓流露天風呂は、さきほど見た「氷瀑」をテーマにした「氷瀑の湯」という名物風呂です。

もちろん人工ですが、温泉に浸かった目線の先には奥入瀬渓流が流れ、背後には高さ約3.5m、幅約16mの氷瀑がそびえていて、斬新なデザインのお風呂です。アイスブルーの氷に囲まれて、温かい湯に浸かるという面白い体験でした。

ライブキッチンの誘惑

最近は朝ごはんを抜いているので、朝食は覗いてみる程度と思っていたのですが、気づけば何皿も手にしていたのは、ライブキッチンの持つ魔力ゆえでしょうか。

目の前でオムレツを焼くのは、他のホテルでもよく見るけれど、りんごジュースがしぼりたて、パンケーキは青森りんごのジャムがトッピングされ、さらに、朝ラーメンは、ホタテラーメン。これはちょっと食べてみたい！！

おまけにパンはすべて一口サイズでかわいらしく盛り付けされているので、ちょっとずつ、いろいろ食べてみたくなります。

朝食が終わればあとはチェックアウトを待つばかり、というのが通常の宿滞在ですが、体験アクティビティの多い宿だから、まだまだお楽しみはこれから。
八甲田ロープウェーが雪で不通だったため、朝食後は、蔦沼と十和田湖へのスノーシュートレッキング（「冬の国立公園プライベートツアー」＝12000円）へと出かけました。

前日に雪が降り始め、この日はふかふかのパウダースノーでした。雪上のウォーキングに適した西洋かんじきは、初心者でも楽に装着できますし、蔦沼への道はほぼ平坦なので楽しく歩けます。