ビジネス利用でも温泉宿を選ぼう 〜ユウベルホテル松政〜
仕事でビジネスホテルに泊まらなくちゃいけない時でも、私は断然、温泉宿派。
予算にちょっとプラスすれば、温泉宿でも一人宿泊OKなところが増えています。
今回ご紹介するのは、
新山口駅から路線バスに乗って20〜30分で到着する「ユウベルホテル松政」。
新山口駅からほど近い湯田温泉で、それなりの料金で一人宿泊ができる温泉旅館はネット検索でここしかヒットしなかったので、こちらに決めました。
ホテルの前にバス停があるので、キャリーバッグを持って移動するビジネス利用にも苦になりません。
冠婚葬祭業を営む会社が複数展開
「松政」という名前には、聞き覚えがありました。
マスコミなどでもよく取り上げられていた「職業女将」を名乗る方が、松政の女将さんだったと記憶していましたが、すでに運営が変わり、今、その方はいらっしゃらないようです。現在は、広島で冠婚葬祭業を営む会社が「ユウベルホテル」として再スタートを切ってきました。
仲居さんの話では、「ユウベルホテル」は由布院、熊本、京都にも展開していて、会員組織を持っているので、会員へのアプローチが可能なため、ホテル業にも進出されたとのことでした。
玄関を入ると、思っていた以上にきれいなホテルです。
冠婚葬祭業を営む会社が運営元なので、ウエディングなどにも力を入れているようで、ロビー周りも宴会場も広々としているし、清潔感もあります。案内してくれる仲居さんたちも若くて、感じのいい人ばかりでした。
通された客室は、12.5畳+広縁+小上がりの和室。パウダースペースもありました。
「直前割」のお部屋おまかせプランですが、こんなに広い部屋に泊まれるとは思っていませんでした。
置き物やお皿、掛け軸などもいいものが置いてあるし、床の間には、季節の生花が生けられています。洗面台の器は備前焼。通常だったらそれなりの料金になるのでしょうが、ビジネス利用や一人客も泊まれるのはありがたいことです。
強いて難をあげるとすると、タオルが使い古されていて、少し硬かったことくらいでしょうか。前日に泊まった瀬戸内の宿で、ふかふかの白い今治タオルが用意されていたから、余計にそう感じただけかもしれません。
さて、18時に着いて、ひと風呂浴びてから19時に夕食です。
山口県民のソウルフードもあり
夕食はビジネス利用ならば十分すぎる量です。
前菜は、紫芋の豆腐すりながし、もみじまんじゅう、ほうれんそうといくら、かに、きのこのお浸し。
お刺身はボタンエビ、ヒラソ(ヒラマサ)、ヒラメ。
海老芋饅頭の中には牛すじ、ぎんなん、蓮根のすり流しが入っていました。
会席料理に焼きそばが出るなんて!!
とちょっと意外な思いがした一品は、名物の「瓦そば」。
西南戦争の頃に、薩摩軍の兵士たちが、合戦の合間に瓦で肉や野草を焼いて食べたという逸話から生まれた、山口県民のソウルフードです。
仲居さんの説明では、「瓦そばは、ご当地B級グルメと郷土料理の間くらいのもの」だそうで、熱した瓦に茶そばをおいて、じゅーじゅー焼いてだし汁でいただきます。
さらに、朴葉焼きの中身は牛肉としめじが入っていて楽しめました。
メイン料理と思われるのは、フグのから揚げと燻製でした。
最後にちりめんごはんと赤だし。フルーツ。
1人なので1時間かからずに終了。半個室のテーブル席でしたので、くつろげます。
かけ流し浴槽もあります
温泉はいわゆる団体旅館の大浴場です。
洗面所周りもきれいで、ドライヤーなども席ごとに用意されていますが、これといった驚きは正直、ありません。しかし、露天風呂にはかけ流し風呂がありました。
泉質はpH9.2のアルカリ性単純温泉で、大浴場は循環、塩素、加水されているものの、
露天風呂は「源泉100%かけ流し」の表示がされていて、加水、加温、塩素消毒もしていないそうです。
お疲れビジネスマンなら、疲れもとれる。
駅近の温泉宿で、一人宿泊。オススメです。
ユウベルホテル松政
- 山口県山口市湯田温泉3-5-8
- 全89室
- IN 15時/OUT 10時
- 1泊2食15,150円〜【参考宿泊価格:1室1名利用17,950円】
写真と文・野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)