杉材と漆喰が心地いい宿 〜いやしの民宿とんとん〜
屋久島には連泊しやすいように料金を抑えた民宿やゲストハウスが数多くありますが、女性同士や女性一人旅におすすめなのが、この宿。
温かみのある木のぬくもりに包まれて、居心地よく過ごせます。
15時ちょっと前に到着して宿の人に声をかけると、チェックインは夕方16時からでした。
とりあえず、荷物だけ置かせてもらって、時間潰しに海岸線沿いのドライブへと出かけました。
チェックインは少々遅い時間の設定ですので、しっかり遊び尽くしてから宿に入るのがよさそうです。
玄関を入るとすぐにフローリングの広間兼食事処が見えます。
客室は4室しかなくて小ぢんまりとしていますが、全て板張りの空間なので広く見えます。
床と天井は杉材。
客室に置かれた説明書きには、“クラシック音楽を聴かせながら常温焼成乾燥させた木材”とありました。
音楽の波動が木材に伝わり、木の細胞が破壊されることなく、木材の持つ大切な油分やエキスがそのまま残るのだそうです。
しかも、凹凸を際立たせて、木の風合いを肌で味わえる加工が施されているので、足裏に心地よい感触です。
開業して10年経つというのに、古びて見えないのは、本物素材の持つ力にくわえて、上記のような特別な加工が施されているからなのでしょうか。
いずれにしろ、雨の多い屋久島だからこそ、調湿性能に優れ、結露や防カビ対策に有効な建材はありがたい存在に違いありません。
壁は、「幻の漆喰」という素材が使われています。
焼成カルシウムと麻のスサや海藻を煮込んで作ったノリを、カビを発生させない無菌水に混ぜ合わせ、光触媒の技術を使って施工しているのだそうです。
調べてみると、これらの建材の製造元は福岡の会社でした。
滞在すればするほど居心地のよさを感じられる、健康自然素材の家屋の素晴らしさを感じる1泊となりました。
8000円台でも大満足の夕食
大広間でいただく夕食は、屋久島の海と山の幸を満喫できるものでした。
屋久島といえばトビウオ料理が有名ですが、こちらの宿ではお刺身で出てきました。
足の早いトビウオをお刺身でいただけるのは、現地ならではの醍醐味でしょう。
淡白な身は濃厚なお醤油と相性抜群です。
1泊2食8000円台でも十分に満足できる夕食です。
煮物、揚げ物、焼き物など、魚料理を中心に、肉も野菜もバランスよく食べられます。
女性客であればむしろ多いと感じるかもしれませんね。
温泉は近くの「尾之間温泉」へ
お風呂は家庭用の風呂で、温泉ではありません。
ですので、他のお客様と順番で風呂を使うか、レンタカーがあるならば、近くの温泉に出かけることもできます。
宿の人におすすめされたのは、車で約5分の「
尾之間温泉」。
太い梁の見える風情のある共同浴場です。
pH9.6、アルカリ性のつるつるになる美人の湯。泉質は単純硫黄泉です。
夕食前に行くと、地元の人と観光客で賑わい、結構な混み様でしたが、お湯の質はかなりいいです。
長方形の浴槽の足元は、ゴロゴロと手の平大の大きな河原の石が心地よく、なかなか熱い。
地元の人はその浴槽の周りに座り込み、石鹸で体を洗っています。
シャワーは洗髪用のみで、髪を洗い終わったらすぐに譲るよう、張り紙がされていました。
源泉温度は49℃だそうで、男湯との隙間の石の下から源泉が湧いているそうです。
営業は7〜21時30分。200円。
民宿に泊まって共同湯を利用すれば、地元の雰囲気が味わえて、ディープで楽しい旅ができることでしょう。
いやしの民宿とんとん
- 鹿児島県熊毛郡屋久島町原916-21
- 全4室
- IN 16時/OUT 10時
- 1泊2食 8,000円(1室2名利用時、消費税込)〜
- 日帰り入浴 不可