建物は昭和8年に建てられた木造3階建て。館内はまるでいろりの煙にいぶされたような色合いで、それを磨き上げた風情は建築当初より美しいかと思わせる。そこに古い書棚やいろりがあるかと思えば、マッキントッシュやJBLのオーディオからジャズが流れ、香りの強いシングルモルトが並ぶ。全館が民芸調の中に強烈な欧風趣味が溶け込み、館主のこだわりがビリビリと伝わってくる宿である。写真は太い梁が印象的な食事処の孤月庵。
季節感がある、というより季節を卓上へ運んだように、素材から季節の味や香りがにおいたつ料理が続く。たとえばある秋の一日は、お通しが数種のきのこやアケビの皮の料理で、鍋はもちろんきのこ鍋。山菜の盛り合わせにもきのこがいろいろ、である。写真は名物の馬刺し。氷鉢の上にウニ、ミョウガ、ネギ、甘みそなどが乗り、これらを馬刺しで巻いて食べるのだ。料理は薄味から濃い目へと流れる。リズムをもった会席である。
小ぢんまりとした浴室に、いくつものこだわりが詰まっている。そのひとつが建材に木曽五木を用いたこと。壁板にサワラを使い、天井の垂木がヒバで野地板はネズコである。また浴槽や洗い場は濡れると青色が美しい十和田石で、湯口は石臼をかたどったみかげ石。一見して池に見える露天風呂は、庭師が遊び心で池のように作ったからだという。夜通し利用でき、造りは男女ほぼ対称だが、女性用にはミストサウナがある。
なるべく早くお越しいただき、一風呂浴びたらツリーハウスで遊んだり、サロンで本を読んだりしておくつろぎください。夜はお酒を召し上がって早寝をすれば、翌朝の目覚めもいいでしょう。(館主の花岡貞夫さん)
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