エントランスは瓦をのせた和風門だが、背後にそびえるのは15階建てのシティホテル風。日本の宿の冠称もそれほど期待はできないと思われるが、館内に入るとその予想は見事に覆される。太い鉄筋の柱は丁寧な仕事で見事に和風ナイズされ、柔らかい照明や調度品が和モダンの空間を創出している。その象徴がロビーラウンジで、鉄筋の柱も木造の大黒柱のような趣がある。訪れた客は、ここですっかり質のいい日本の宿の世界へといざなわれ、アダルトで落ち着いた雰囲気に包まれるようである。
ロビーラウンジから続くスペースは、プール上に張りだした形のティーラウンジ「マルコポーロ」。プールの一部をつぶしてこの施設を造ったそうだが、七尾湾を目前に望む特等席でいまやこの宿の顔的な存在だ。昼間はティールームだが、ライトアップされる夜はバーになり、優雅な気分で和倉温泉の夜が過ごせる。ちなみに、このプールは夏休み時期になると子供プールになるそうだ。そうなると雰囲気が一変するにちがいない。
風呂の充実ぶりも和倉温泉では屈指の存在だ。風呂は男性用が1階、女性用は真上の2階にあり、いずれもすぐ目の前に七尾湾が広がり、その向こうに能登島を一望にする抜群のロケーション。その立地を活かし、大浴場、海が見える檜風呂(写真)、女性用には天空の寝湯(男性用は潮風の寝湯)、癒しのハーブ湯(男性用は癒しの岩風呂)、サウナもドライ・ミスト(男性用はカメ風呂)の両方を備えている。ついつい長湯してしまうほど快適だ。
全室海側に面しており、露天風呂からは七尾湾や能登島を一望。心身ともに海に浸かるような心地良さを満喫していただけます。また、両サイドに姉妹館のガーデン能登、ホテル能登倶楽部もあり、いろいろな泊まりかたがお選びいただけます。(統括支配人の浦辻勇人さん)
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