箱根湯本ホテルは、滝通り沿いの本館屋上と早雲通り(箱根旧街道)沿いの新館1階が渡り廊下でつながっている不思議な造りだが、本館ロビーの風情には伝統の味がある。2階の高さから下がった豪華なシャンデリア、中央にそびえる柱と目を奪われる天井画、明るく広い窓辺にはゆったりとしたソファが置かれている。チェックインを済ませていきなり客室へ向かうのではなく、しばしここで時間を過ごしてみたい。なお、本館には50年前の創業時からある部屋(夢双庵)が6部屋残っている。その部屋に宿をとり、古き良き時代を偲ぶのもまた旅の楽しみのひとつ。クラシカルなムードにひたれる本館ロビーは、そのプロムナードとして最適だ。
豊富な湯量、ゆったりと開放的な浴場。そして何より箱根の四季折々の息吹きを感じることができる自然が身近にある心地良さ。本館、別館それぞれに趣きのある浴場が揃っている箱根湯本ホテルで、旅気分を存分に堪能しよう。
箱根湯本ホテルの夕食は選択制。女性客に圧倒的な人気を誇るのが本格的イタリアンレストラン「ラ・マニョーリア」での食事だが、素材を大切にした懐石料理もすぐれものなので、どちらかを選ばなければならないのには苦慮するだろう。 さらに本館近くには自家製豆腐懐石の箱根「暁亭」がある。国の登録有形文化財指定をうけている暁亭は、明治の元勲・山県有朋公ゆかりの離れ家。箱根山中・観音沢の水と北海道大豆、箱根の温泉を基にした、昔ながらの製法で手間ひまかけて造られた風味豊かな豆腐は、何度食しても味わい深い。 また、横に並びたつ箱根「暁庵」は、吟味された素材と名人直伝の香り豊かな手打ち蕎麦が味わえるとあって人気。どちらもお昼時を中心に賑わっている。 別館の「箱根ベーカリー」の各種パンも、観光客ばかりでなく地元の人の根強い人気がある。
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