赤倉本通りの中ほどに、ヨーロッパの別荘風の構えで建つ。通りからは玄関のある本館しか見えないが、その北側に廊下で連絡した別館が建ち、ともに地上鉄筋4階建てだ。数段の階段を上がって2階にあたる玄関をくぐると、この宿の独特の雰囲気に包まれる。内装は重厚な木造りで、大胆かつ繊細な彫刻が施された家具調度品が多いことにも驚かされる。いまも現役で活躍する昭和3年生まれの創業者、田中朋久社長が細部にまでこだわって造り上げた宿である。
男女別の大浴場は別館の地下1階にあたるフロアに隣り合って造られている。地下といっても、傾斜地に建つので窓の外には日本海方面の眺望が開ける。風呂の造りと雰囲気も独特で、湯船の縁には檜を使い、丸太をくりぬいた湯口から源泉が注ぐ。さらに庭園風に自然岩を積み上げているが、その岩には青々とした苔が生えているのが歴史を感じさせる。男女とも大きな湯船で洗い場も広く、いかにも「大庭園風呂」と謳うだけのことはある。
食事会場は本館2階のメインクラシックダイニングルーム「泰平」と、3階の民芸調ダイニングルーム「山容」になる。メインダイニングでひときわ目を引くのが、ノルウェイから求めた真鍮製のアンティーク・シャンデリアだ。この重量に耐えられるのだから、よほど基礎工事がしっかりしているのだろう。立派なステージもあり、結婚披露宴や記念パーティにぴったり。そんな客の用途に応えられる立派な造りで、館主の思い入れの深さがわかる。
私の実家は埼玉県川口市の味噌醸造元で、ここは会社の別荘だったの。それを私が旅館にしたわけだ。こんな旅館を造りたいと凝りに凝ったんだが、それをお客さんがわかって、喜んでもらえれば幸せだね。(社長の田中朋久さん)
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