浅間隠山の麓、山懐に抱かれた秘湯の一軒宿。そう聞くと、ひなびた風情の宿屋が山間にポツンと建っている光景を想像するが、約7,000坪という広大な敷地に7棟の茅葺き建築を集めたこの宿は、まるで一つの集落ともいえるスケールで迎えてくれる。豪壮な薬師長屋門を始め、3階建て合掌入母屋造り切妻屋根の「出羽の国紺野家」、安政2年建築の「南部曲り屋木村家」など日本建築史上貴重な建造物が並ぶ。各建物内では時代箪笥や郷土玩具、武具や蒔絵、古伊万里といった宿に伝わる貴重な品々を展示。宿泊客の多くがチェックイン時間より前に来館し、郷内を見学して歩くというのも納得だ。
薬師長屋門から重厚な茅葺き民家を見学しつつ、枕木を敷き詰めた道を下っていくと宿泊棟の入口に当る本陣が姿を現す。目を見張るほど立派な茅葺き屋根は長さ42m、厚さ1mと国内でも有数の規模。ここでチェックイン手続きを済ませると、渡り廊下をつたって客室へ案内される。客室は、川に面した全室囲炉裏付きの「せせらぎ館」と、二間続きの部屋に檜の半露天風呂が付いた「やすらぎ館」の2棟に全26室。いずれもゆったりとした間取りで、日本情緒を感じながら静かな一夜を過すことができる。
1番の楽しみである風呂は、3つの貸切専用を含めると6ヶ所。檜造りの湯屋で薬湯が楽しめる「郷の湯」は本陣からやや離れた別棟にあるが、そのほかはすべて「せせらぎ館」1階の湯屋街道と名付けられたフロアに集まっている。中心は総檜造りの「薬師の湯」で、3つに分かれた浴槽では天然温泉の寝湯やゲルマニウム温浴が楽しめる。また、湯屋街道の奥まったところには足湯があり、そこからさらに奥へ進むと露天風呂「滝見乃湯」がある。その名の通り、えん堤を落ちる滝を見ながら、野趣たっぷりの湯浴みが楽しめる。
7,000坪の敷地内に茅葺きの屋敷が7棟、古きよき日本を彷彿させる湯宿です。都会の喧騒を忘れ、安らぎのひとときをお過ごしください。(支配人の山口伸一さん)
※本サービスは宿泊情報の比較サービスです。掲載の情報内容でのサービス提供を保証するものではありません。サービスの仕様上、リンク先の各予約サイトの掲載内容(プラン内容、料金、空室情報、施設情報等)と一致しない場合があります。ご予約の前に必ず各予約サイトで内容をご確認ください。
※宿泊プランにより対応できるサービス範囲やご利用いただける設備等が異なることがあります。ご予約の前に必ず各予約サイトで内容をご確認ください。