平安時代の開湯といわれる四万温泉は、上信越高原国立公園内にある静かな温泉。四万川上流の渓流に沿って広がる情緒あふれる温泉街は郷愁を誘う。肌にやさしい湯は、飲用すれば胃腸に効くといわれ、随所に飲泉所が設けられている。
渓谷の景色が美しい中之条町六合地区にたたずむ温泉地。尻焼温泉は、谷間を走る川がそのまま温泉となっており、川底から湧く湯が尻を焼くほど暑かったのが名前の由来。
鎌倉時代に狩りに訪れた源頼朝が、湯の一面に桜の花びらが浮かぶざまを見て名づけたという伝説が残っている温泉。山間の静かな環境にあるので、静養に向いている。
文人墨客も愛した四万の病を癒す霊湯
四万川の上流から下流に向かって日向見、ゆずりは、新湯、山口、温泉口の5湯が湧いており、これを総称して四万温泉と呼んでいる。歴史は古く、蝦夷征伐に出た坂上田村麻呂が入浴したとか、源頼光の家臣・日向守碓氷貞光の夢に童子が現れて「四万の病脳を癒す霊泉」を授かったともいわれている。