料亭旅館の名を冠するお宿にふさわしく、素材の産地や時期を吟味した創作料理が月替わりで楽しめる。「美味しい!」という一言のために、地元や沼津の漁港に料理長自ら足を運び、水揚げされたばかりの魚を仕入れるというこだわりも。季節に合わせた器との相性もよく、心意気は十分に伝わってくる。箸休めとして毎月供される「米屋の金胡麻豆腐」も絶品。朝食に出る「米屋のとろめん豆腐」とともにぜひ味わってほしい。
山あいにひっそりたたずむ門をくぐった瞬間から風雅な和の世界に導かれる宿は、隠れ家にしておきたい趣たっぷり。滝の音、小鳥の鳴き声、蝉時雨。竹林を抜ける風が心地よく、玄関横のカウンターから自然の滝が流れ落ちる様を眺めているだけで、世俗との隔たりを感じることができる。目の前で点てていただいたお薄とお干菓子で一息入れたときから、五感を存分に喜ばせる上質な寛ぎはすでにはじまっている。
全17室の客室すべてに源泉掛け流しの露天風呂がついている贅沢に加え、大浴場2箇所に貸切露天風呂と、温泉の醍醐味が味わえる。大浴場の古代檜風呂と四阿岩風呂にはそれぞれ露天風呂もあり、男女入れ替え制。滝を間近にした貸切露天風呂は空いていれば入浴は自由(無料)。さらに芳香療法(アロマテラピー)「夢語」(有料)では、一人ひとりのカラダと心の状態にあわせてアロマオイルを選び施術する癒しのひと時を過ごすことができる。
全17室の小さなお宿ですが、八十八の手間をかけて作られるお米のように、手間を惜しまず心を込めたおもてなしをしたいと思っています。昼の光の中のお風呂もいいものです。お早くおいでになってゆっくりなさってください。(岩瀬若女将)
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