旅館さかやは温泉街の中心部、野沢温泉のシンボル・共同浴場大湯に隣接して建つ。江戸時代は造り酒屋を営み、17代続く老舗の湯宿として知られる。小旅館が多い野沢温泉の中にあって、鉄筋6階建ての建物は威容さえ感じさせる。巨大な鳩車に迎えられて玄関に立つと、ロビーのガラス窓ごしに緑の庭園が映え、一気に異次元の空間に引き込まれてしまう。廊下など館内のあちこちに生けられた山野草の花や骨董的な調度品などが、この宿のセンスの良さを物語る。
この宿の温泉は敷地内から自然湧出する2本の自家源泉。宮大工の手になるという堂々たる湯屋造りの大浴場や露天風呂に掛け流しで注がれるが、湯船との距離はわずか15m。まさに生まれたての源泉が堪能できるというわけだ。湯口では1本の竹筒から2つの枡に分湯し、微妙に湯温を調節しながら湯船へと注ぐ知恵と工夫が見られる。そして湯船もまた3つに仕切られ、少しずつ温度が調整されている。こうした仕組みを目の当たりにしながら愉しむ極上の湯は格別である。
食事は朝晩とも個室を中心とした食事処に用意される。布団の上げ下げや料理の匂いを残す部屋では心からのくつろぎの時間が持てないだろうとの配慮から、この宿では早くからこのスタイルを採用した。そして、料理は美濃焼、備前焼などの陶芸作家に特注したオリジナルの器で運ばれる「信州創作和食」。器が料理を引き立て、料理がまた器を生かす。客室29室に抑えた宿だからこそ可能な心配りである。その贅沢な取り合わせを目と舌でじっくりと味わってみたい。
自噴する温泉が大切なのはもちろんですが、その湯が湧出する地域の環境を守ることが使命であると考えています。宿としては、陶芸作家によるオリジナルの器で運ぶ奥信濃の郷土色豊かな料理を堪能してほしいですね。(専務の森 晃さん)
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