現当主が11代目という渋温泉を代表する老舗。冠名の「洗心館」は、勝海舟や山岡鉄舟とともに“幕末三舟”といわれた幕臣・高橋泥舟がこの地を訪れた際に滞在し、「心洗われる館」と言ったことから名付けられたと伝えられている。石畳の通りに面した木造3階建ての建築美や、遊び心豊かな部屋や廊下の意匠など、木造建築の粋を凝らした建物は、その言葉通り誰の胸にも懐かしさを誘う。木の香りに包まれて過す居心地のよさに、心を洗いにやってくるリピーターが後を絶たない。
渋温泉には効能の異なる外湯が9つもあり、それをめぐる湯治客が多いために昔ながらの宿には大きな風呂を備えていないところがほとんど。洗心館松屋もその一つで、地下にある2つの内湯は広い方でも8人入ればいっぱいになるほどの大きさだ。しかし、その造りはさすが“木の館”。湯船はもちろん、天井から壁一面にいたるまで見事な総檜造りで、この上ない風情を感じながら掛け流しの湯を堪能できる。2つの内湯は宿泊客の割合によって男女入れ替え制になることがある。
食事は個室または宴会場に用意され、どちらでも家族やグループ水入らずで味わえるように配慮されている。春は山菜尽くしの天ぷら、初夏には志賀高原で採れる根曲がり竹の炭火焼、そしてリンゴを食べて育った信州牛の鉄板焼き・しゃぶしゃぶなど、信州の四季を五感で味わえるのがうれしい。脂がのった旨味たっぷりの馬刺し(2人前1,890円)や、独特の食感と甘味にファンが多い佐久鯉の姿造り(4,200円)といった別注料理もそろっている。
何事も慌しい現代にあって、昔ながらの温泉風情が残る渋温泉は懐かしさを感じさせてくれます。優しい木の温もりに満ちた当館で、日常を忘れてゆっくりお過しいただければ幸いです。(若女将の児玉恵子さん)
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