日本のゴッホとも呼ばれた放浪の画家・山下清が愛した上牧温泉の宿。昭和30年代に山下画伯は、師である式場隆三郎氏と何度となく来館。今も濃厚に香る静かな山里風情が、画伯の素朴な心と共鳴したのだろう、ここで数々の作品を描き、遺した。昭和36年に「はにわ風呂」が完成する際、貼り絵「大峰沼と谷川岳」の原画をもとに特殊ガラスを使い、画伯自ら情熱を傾けて仕上げたのがこの壁画。温かみ感じる絵からは、この地に対する画伯の愛情が伝わってくる。郷愁を胸に、ゆったり浸かりたい風呂である。
「はにわ風呂」があまりに有名だが、館内にはほかにも風情豊かな風呂がそろっている。まずは「はにわ風呂」と男女入れ替え制を採っている総檜造りの大浴場「かわせみの湯」。淡い照明に檜の木目が浮かび、優越感に浸りつつ湯浴みできる空間だ。外には庭園露天風呂「たまゆらの湯」が続いていて、こちらも夜は灯籠に灯が入り、落ち着いた風情。このほか、9~11月にはリンゴ風呂が楽しめる女性専用の大浴場「ひすいの湯」、ゆったり広い2つの貸切風呂も用意されている。
囲炉裏端で炭焼き料理が楽しめるのも、この宿の大きな魅力だ。炭火食事処「蒼天庵」または「南竜庵」に用意される夕餉の膳は、名物「いろり献残焼」。かつて戦に疲れた武士が山菜や川魚を剣に刺し、焚き火で焼いたことから名付けられたとも、高貴な方に献上した料理のお裾分けが語源ともいわれている。伊達地鶏や和牛、川魚、キノコなどを囲炉裏で焼いて食す田舎風料理で、自分で焼く楽しさも手伝ってその味わいはまさに至福。時間をかけてゆっくり味わいたい。
体を癒す温泉・心和む人・旬を食す炭火、この3つの温もりを“辰巳館三温”と呼んで大切にしております。歴史ある温泉に癒され、家族的な雰囲気に心和んでいただき、炭火で焼いた素朴な料理に感動していただけたら幸いです。(女将の深津香代子さん)
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