津軽こぎん模様と遊び、津軽三味線に心踊る

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津軽三味線、津軽こぎん刺し、大間のまぐろ、りんご――。青森の宝物を目一杯体感できるのが星野リゾート 界 津軽です。2019年にリニューアルし、全41室が津軽こぎん刺しなど伝統工芸を使ったご当地部屋となりました。どの客室に泊まっても“津軽らしさ”を満喫できます。

津軽の風土が生んだ伝統美

  • ご当地楽・津軽三味線の生演奏 Photo:chikako nozoe

    ご当地楽は、毎日21時~ロビーで行われる「津軽三味線」。演奏は専属三味線奏者の渋谷幸平さんとその手ほどきを受けたスタッフが行います。渋谷さんは平成24年度、津軽三味線の全国大会でグランプリに輝いた実力派。演目は「りんご節」「津軽あいや節」「じょんがら節」などの津軽の民謡で、生演奏は大迫力で心震える音色です。
    演奏の終了後には希望者は「さくら さくら」を体験演奏させてもらえます。「4・4・6」と数字が書かれた弦を押さえて、バチで叩くだけで、きれいな音色が響きました。触ったこともない楽器を弾ける喜びを味わえます。

  • こぎん刺しが彩る館内

    「こぎん刺し」は津軽の風土が生んだ生活の知恵。客室は白を基調にシックな藍色のこぎん模様がアクセントになったご当地部屋です。ただ伝統工芸品を配置するだけでなく、koginデザイナーの山端家昌さんが伝統を現代にマッチしたデザインにまで昇華しているからこそ、センスのよい空間になっています。
    全41室が異なる「モドコ」(こぎん刺しの基礎模様)をモチーフにしており、スタイリッシュなブナの木を用いたBUNACOランプやこぎん刺しの模様をあしらった津軽金山焼のコーヒーカップが置かれ、津軽の文化を身近に感じることができます。

  • ご当地部屋「津軽こぎんの間」

    「ひょうたん」や「花つなぎ」など「モドコ」の形は基本バージョンだけでも約40種類あり、これらを組み合わせると無数のデザインができあがるそうです。写真のご当地部屋は、「花つなぎ」をテーマにした客室。全客室、モチーフとなる「モドコ」柄が異なり、縁起のよいこぎん模様のモチーフが障子や壁などを彩ります。ベッド上の「こぎんウォール」が客室を華やかに彩り、障子に陽の光が差し込む朝には、こぎん模様が浮かび上がります。

  • 工芸品が彩りを添える Photo:chikako nozoe

    「ご当地部屋」にはこぎん刺しの行燈や木製フレーム入りの作品が飾られているほか、ブナの天然木を加工したBUNACOのランプや、津軽金山焼のオリジナルコーヒーカップなど青森の工芸品を見て、触れて、体感できます。津軽金山焼は釉薬を使わず松薪(まつまき)による自然釉と炎で焼き上げた素朴な茶系の陶器で、カップの表面と取っ手にこぎん模様が描かれたオリジナル。このコーヒーカップでお茶を楽しむもよし、ラウンジに出かけて読書するもよし、青森の文化を思う存分、味わいましょう。

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りんご風呂と津軽たいそう

温泉を学んで、健康になる

温泉を学んで、健康になる

青森といえば、りんご。青森県のりんご生産量は全国1位で、日本全国の約6割を占めます。そのりんごをふんだんに使った「りんご風呂」を楽しめるのもこの宿の魅力の一つ。癒しのアロマ風呂は浴室全体に甘酸っぱい香りが充満して和めます。また、紙芝居で温泉を学ぶ「温泉いろは」や朝の「つがる四季の体操」は、スタッフが考案したオリジナル。夜も朝も、さまざまな体験が用意されていて、滞在中、暇を持て余すことはありません。1泊すれば日常のしがらみから解き放たれて、心も体も元気になっていることでしょう。
「温泉いろは」で温泉を学ぶ Photo:chikako nozoe

「温泉いろは」で温泉を学ぶ

「1泊2日の滞在でも湯治のような入浴効果を」と行っているのが「温泉いろは」。紙芝居形式で、温泉の歴史・泉質・周辺環境や入浴法、ストレッチ法を伝授してくれます。「大鰐温泉の開湯は円智上人が発見した1190?1198年。また、『目を洗えば眼病が治る』と津軽藩主が薬師如来のお告げを受けて開湯したという説もあります」とスタッフから説明を受けると大鰐温泉への興味がより湧いてきます。冬のおすすめ入浴法は、「5分→休憩→8分→休憩→3分」の分割浴。歴史ある大鰐温泉でしっかり温まりましょう。
青森ヒバの湯殿でりんご風呂

青森ヒバの湯殿でりんご風呂

男女別大浴場にある青森ヒバの湯船に注がれるのは、無色透明で保温効果の高いナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。そこに青森名産のりんごが甘酸っぱい芳醇な香りを放ち、ぷかぷかと浮いています。木箱1箱分(30?40個)のりんごが投入され、その種類も季節によって黄色いのがあったり、赤いのがあったり、目にも鮮やか。「りんご風呂」は9月中旬?5月GWまでの限定です。大浴場にはバスタオル・ハンドタオルが備え付けられているので手ぶらで行けるのも嬉しいですね。
つがる四季の体操 Photo:chikako nozoe

つがる四季の体操

朝7時?ロビーで行う「つがる四季の体操」はスタッフの完全オリジナル。例えば、春は桜の名所である弘前城の桜をイメージして、大木と花びらが散る様子をスクワットで表現したり、冬は雪深い津軽をイメージして、スコップで雪かきする動作を運動に取り入れています。15分程度の簡単な体操なので、楽しみながら、朝の縮こまった体を目覚めさせることができます。運動後はりんごの甘酒もサービスしてくれますし、ロビーにはりんご茶やりんご香茶の用意もあります。「つがる四季の体操」は予約なし、誰でも無料で体験できます。

春はしだれ桜をひとり占め

  • 桜を愛でる春のプラン

    桜を愛でる春のプラン

    弘前の桜は全国的に有名な桜の名所。2019年4月にリニューアルした「津軽四季の水庭」は、春は水辺にせり出したテラスに津軽金山焼のランプを配して、幻想的な風景をつくり出します。ランプは津軽金山焼作家の野呂理紗子さんの作品で、背の高いものでは1.5mにもなります。また、2020年からスタートした「乙な花見旅」のプランでは、毎年期間限定で、津軽らしい春を堪能できるプログラムも用意されている。2021年は、アップルパイやシードルの入った花見行李付きで、桜を愛でながら三味線演奏体験などができる内容です。

  • 豊かな山海が育んだ味覚に舌鼓

    豊かな山海が育んだ味覚に舌鼓

    東は太平洋、西は日本海、そして北は津軽海峡と三方を海に囲まれ、海の幸が豊富な青森県。なかでも津軽海峡の「黒いダイヤ」といわれる大間の天然本まぐろは全国的にもその名が知られるブランド魚。大間のまぐろをたっぷりと味わえるのが、まぐろ漁が旬を迎える秋・冬の特別会席「大間のまぐろづくし会席」です。夕食ではまぐろ、そして朝食では津軽・下北の郷土料理である「貝焼き味噌」に舌鼓。そのほか春には花見蟹、夏には鮑など、食文化が豊富な青森ならではの味覚を思う存分味わえます。

  • 大間のまぐろ尽くし会席

    大間のまぐろ尽くし会席

    豊かな漁場に囲まれた青森県で最も有名な食材のひとつが、秋から冬にかけて獲れる大間のマグロ。 秋・冬の特別会席は「大間のまぐろづくし会席」では、「マグロの最高峰」と呼ばれる大間のマグロを、中トロと赤身のお造り、まぐろの握り寿司などで登場。大間のまぐろ三昧です。
    醤油は大鰐温泉の温泉熱を使って発酵・熟成させた「マルシチ」の醤油。津軽焼きのオリジナル土鍋で炊いた土鍋ごはんやりんごのスイーツなど、青森の味覚を目一杯堪能できます。

  • 郷土料理「貝焼き味噌」 Photo:chikako nozoe

    郷土料理「貝焼き味噌」

    朝食の看板メニューはホタテの貝の上に具材をのせて焼く「貝焼き味噌」。これは江戸時代の発祥で、陸奥湾の漁師がホタテの貝を鍋代わりに食材を焼いたのが始まりだそうです。味噌は地元・マルシチ味噌のもので、津軽産おおすず大豆と青森県産・国産米を100%使い、醤油同様、温泉熱で醸造しているため、まろやかでやさしい味わい。溶き卵でとじるとさらにごはんが進みます。朝食でも、豆腐の上に、昆布・大根・数の子を和えた弥三郎漬がのっていたり、りんごヨーグルト、まぐろ昆布といったご当地メニューが味わえます。

テキスト:野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)2021/4/28 更新

支配人・スタッフから一言

総支配人 立川久美子さん
総支配人 立川久美子さん

津軽の四季は春の桜、夏のねぷた、秋の紅葉、冬の雪と四季ごとに全く違った表情になるのが大きな魅力のひとつだと感じています。星野リゾート 界 津軽は、津軽文化を発信する温泉旅館として2019年4月のリニューアルで更に身近に津軽の文化や四季を感じていただけるようになりました。来ていただいた皆様にとって旅のより良い思い出になりますよう、五感で津軽文化をお楽しみいただきたいと思っております。

PICK UP REVIEWS

  • あかさたなさん 2019/02/12
    ★★★★★
    ★★★★★

    廊下の天井が美しかった。また、毎夜開催されている三味線演奏が素晴らしかった。

  • さかいなさん 2019/01/11
    ★★★★★
    ★★★★★

    考え得る限りのサービスをしていただきました。部屋はきれいだし、温泉もよい。りんご湯かわいかったです。

  • みつまめさん 2018/12/08
    ★★★★★
    ★★★★★

    地元ならではの三味線生演奏、体験工房、温泉、食事、部屋のインテリアも地域色がちりばめられていてひとつひとつ印象に残ります。スタッフの対応も近すぎず遠すぎず心地よく滞在できました。

  • トシ1958さん 2018/12/03
    ★★★★★
    ★★★★★

    雰囲気のある食事処にて、日本酒にマッチした懐石料理が最高でした。 当日は、雷雨による停電が発生したため、館内が薄暗い状況だったのですが、従業員の方々の丁寧な対応により、全く不都合を感じませんでした。

Q&A

  • Q. 冬はどの程度、雪が降りますか?また期間はどのくらいですか?

    A. 例年1m程度の積雪があります。11月に初雪が降り始め、長い時には4月の1~2週目まで降っていることもあります。
    (※3月の平均降雪量は2mです。)

  • Q. 大鰐温泉駅から送迎車でどのくらいかかりますか?

    A. 5分程度です。

  • Q. トラベルライブラリーではどのようなことができますか?

    A. 青森や弘前のガイド本、太宰治・りんご関連の書籍などご当地ゆかりの本が読めるほか、こぎん刺しの体験スペースがございます。

  • Q. こぎん刺し体験はいつできますか?

    A. 紙製のしおりのガイドに沿って糸を通していく「思い出こぎん」は24時間できます。そのほか、お部屋でこぎん刺し体験ができるキットも貸し出しております。

  • Q. 近くに桜のスポットはありますか?

    A. 弘前城がおすすめです。弘南鉄道・大鰐温泉駅から約30分の中央弘前駅から徒歩で行けます。ローカル線なので時間はかかりますが、りんご畑など農村を抜けていくのどかな風景を眺めることができます。桜は例年4月20日~GW頃まで楽しめます。