そぞろ歩きから始まる、幸せな温泉旅の楽しみ方

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清々しい風を感じながら川床でおしゃべりしたり、どら焼きをもってウォーキングに出かけたり……。日々進化を続ける温泉街・長門湯本はモダンな立ち寄り湯や古民家を改装したカフや食事処などワクワクに満ちています。宿でゆったりするもよし、周辺散策するもよし。界の新しい楽しみ方が始まります。

地図をもって温泉街へ飛びだそう

  • 晴れた日は温泉街をそぞろ歩き Photo:chikako nozoe

    音信川沿いに湯宿が立ち並ぶ風光明媚な長門湯本温泉。
    約600年前、大寧寺の定庵禅師が住吉大明神のお告げによって発見したと伝わります。開湯に由来する大寧寺や温泉街を見下ろす高台にある住吉神社にお参りし、「竹林の階段」「紅葉の階段」などを散策しがてら、川床やカフェでひと休み。
    星野リゾート 界 長門の中庭から「あけぼの門」を通れば、すぐに温泉街へとアクセス可能。川のせせらぎと小鳥のさえずり、風のそよぎを感じながら、ゆったりとした休日を過ごせます。

  • 神授けの湯「恩湯(おんとう)」に入りにいく Photo:chikako nozoe

    「まずは恩湯へ」と星野リゾート 界 長門の総支配人に薦められるまま、立ち寄り湯「恩湯(おんとう)」へ出かけました。
    外観はシンプルモダンな現代建築ながら、「神授けの湯」と伝わる由緒正しい温泉です。ごつごつとした岩盤の上にしめ縄が飾られ、厳かな雰囲気が漂います。岩の裂け目から湯が湧きだし、生まれたままの温泉を浴びることができる、贅沢な湯使い。
    分析書をみると泉質はpH9.9のアルカリ性単純温泉で、ぬるりと皮膚を滑るお湯がじっくり体に浸透します。38~39℃のぬる湯で長く入っていられるものの、その力強さは霊泉そのものです。

  • そぞろ歩きのお供にスイーツや軽食はいかが

    温泉街散策のお供にスイーツや焼き鳥、ピタパンはいかが?
    星野リゾート 界 長門の「あけぼのカフェ」では北九州・小倉の老舗、湖月堂のあずきを使ったどらやきをはじめ、山口オリジナルの柑橘「ゆずきち」、夏みかんを使った3種のどらやきが食べられます。ほかにも恩湯の小野茶のソフトクリーム、cafe&pottery音のケーキなど、散策の途中においしいスイーツが目白押し。歩きながら食べるもよし、川床で食べるもよし。
    小腹が空いたらさくら食堂の焼き鳥、A.side(荒川商店)のピタパンサンドなどもテイクアウトできます。

  • 夜のライトアップを見にいこう Photo:chikako nozoe

    夜の温泉街は、音信川に架かる橋や両脇にある柳の木をはじめ、旅館、恩湯など、主要な建物や道路がライトアップされます。
    見どころは「竹林の階段」や「紅葉の階段」。
    宿からの道は明かりが灯されているので、一人でも安心して散策できます。夜10時までライトアップが施されているので、夕食後の散歩にちょうどいい運動になります。草履を履いて気軽に出かけてみませんか。

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藩主の御茶屋屋敷で癒しの時を

ご当地部屋「長門五彩の間」 Photo:chikako nozoe

ご当地部屋「長門五彩の間」

全40室がご当地部屋「長門五彩の間」。藩主の寝所をイメージした一段高い寝台に、無形文化財・徳地和紙がベッドボードをカラフルに彩ります。床の間には深川窯の3人の作家さんの萩焼の作品が飾られ、コーヒーカップや急須なども萩焼が採用されています。玄関にはモスグリーンの色合いが美しい萩ガラスのサインや大内塗の夫婦雛の壁飾りが飾られ、空間に重厚感を添えます。客室の鍵も大内塗の夫婦雛で、伝統工芸品が身近に感じられることでしょう。別館の特別室4室は坪庭と広々とした露天風呂付き。美肌の湯を思う存分、楽しめます。
「ぬる湯」で快眠もばっちり Photo:chikako nozoe

「ぬる湯」で快眠もばっちり

室町時代より湧き出る長門湯本温泉は、江戸時代には長州藩主が湯治に訪れたという記録が残る名湯。pH9.9とアルカリ成分が強いことから、石鹸のように皮脂や油を落とすクレンジング効果の高い泉質です。入ったときに肌をなでると、つるつるとした独特な感触が感じられるはず。男女別大浴場にはあつ湯(41℃)と源泉かけ流しのぬる湯(38℃)の浴槽があるので、就寝前にぬる湯に浸かることで副交感神経が優位になり、快眠へと誘ってくれます。開放的な露天風呂からは鳥のさえずりが聴こえてくるほど、自然豊かな環境です。
3つの海と山の幸が大集合 Photo:chikako nozoe

3つの海と山の幸が大集合

日本海と瀬戸内海、響灘(ひびきなだ)の3つの海と大地の恵みをたっぷりと使った会席料理を半個室の食事処でいただきます。山口ならではの食材といえば、肉厚で甘みの強いイカやふぐ。定番のポン酢に加えて「百姓の塩」とオリーブオイルで食べさせるふぐのお造り(てっさ)、山口県内で唯一の桶職人がつくった桶を装飾に使った「宝楽(ほうらく)盛り」など華やかな料理が楽しめます。牛肉と野菜を焼くのは鉄板ではなく、瓦職人が作った瓦。遠赤外線効果でじっくり焼き上がります。〆も瓦職人が作った特注の土鍋で炊いた白飯。ごはんがピカピカと輝いています。

すっかり虜、魅力いっぱいの体験

  • 墨と遊び、本物を知るひととき Photo:chikako nozoe

    墨と遊び、本物を知るひととき

    ご当地楽は自分で墨を磨り、扇形の紙に筆文字を書く「おとなの墨あそび」。赤間硯は長州藩の名産で、維新の志士たちを輩出した私塾「松下村塾」を主宰した吉田松陰が愛用していたといわれるもの。かつて原料のある山は、藩の許可なしに入ることが許されなかったといいます。赤間硯の職人は現在わずか3人。粒子が細かいためとろみがあり、つややかな発色の墨汁を磨ることができます。墨文字に心をのせて、いまの気持ちを刻んでみませんか。

  • トラベルライブラリーでくつろぎの時間を過ごす Photo:chikako nozoe

    トラベルライブラリーでくつろぎの時間を過ごす

    星野リゾート 界 長門のトラベルライブラリーは客室から独立した棟にあり、中庭を望む景観のいい場所にあります。書籍は、幕末から明治期にかけて活躍した明治維新の立役者、高杉晋作や吉田松陰、木戸孝允らの本。また水墨画で有名な絵師、雪舟の本などが置いてあります。山口銘菓の鶏卵せんべいをお茶菓子に、コーヒー、ダージリンティー、カモミールティーや生姜湯を飲みながら、お気に入りの本を開いてくつろげます。

  • 朝の体操は川床で気持ちよくスタート Photo:chikako nozoe

    朝の体操は川床で気持ちよくスタート

    風が抜ける涼しい川床で清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで、朝の体操をしましょう。念入りにストレッチでほぐしてから行うのは、エアー筆をもって行うご当地体操。大きな筆を持ったつもりで「いろはにほへと」を書く動作を行うと、足の屈伸や肩甲骨周りのストレッチができて、自然と体がほぐれていきます。コロナ禍で呼吸が浅くなってしまう昨今だから、自然の中で行う運動が健康づくりに役立ちます(天気が悪い日はロビーに変更になります)。

  • 柑橘の香りに包まれて「ゆずきち号」で行こう

    柑橘の香りに包まれて「ゆずきち号」で行こう

    柑橘の香る車内でおもてなし。JR西日本と長門湯本温泉まち株式会社、星野リゾート 界 長門の3社がコラボした企画列車「ゆずきち号」が7月13日~9月29日、走ります。新下関駅から長門市駅まで2時間ちょっと。陶芸家・金子司さんの萩焼の器でオリジナルティーを味わったり、山口県オリジナルの柑橘「ゆずきち」を使ったスイーツをつまみながら、車窓からの眺めを楽しめます。日帰りツアーのほか、旅行会社の旅行商品などで利用可能です。

テキスト:野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)2021/6/15 公開

支配人・スタッフから一言

総支配人 三保裕司さん
総支配人 三保裕司さん

2016年から長門湯本温泉街再生のための、「長門湯本温泉マスタープラン」策定に携わり、3年半の歳月を経て「星野リゾート 界 長門」が完成しました。テーマは「藩主の御茶屋屋敷」。萩焼や徳地和紙、大内塗、萩ガラスなど山口の伝統工芸品が館内を彩ります。温泉街は「そぞろ歩き」をテーマに活動力のある若手経営者と連携して、皆で目指す温泉街を作っているところです。私たちもどら焼きを販売する「あけぼのカフェ」を併設し、温泉街を盛りあげています。
「ご当地楽」は赤間硯を使った「おとなの墨あそび」。近年の書道離れによって、産地は存続の危機に立たされていますが、オープンから1年、当館だけで100個以上、お客様に硯をお買い上げいただきました。最近は小学生が硯を使わなくなっていますが、ご当地楽を通じて日本人の心を伝えていきたいと思っています。これからますます魅力的な宿・温泉街をつくってまいります。

PICK UP REVIEWS

  • やまとなでしこさん 2021/04/03

    チェックアウトの時間が12時で、朝食後も入浴出来たこと。余計な気遣いなく、サービスが受けられ自由に過ごせた。

  • りんごさん 2021/04/21

    コロナ対策がきちんとされていた。 個室食事。除菌。客室の清潔感。  ハード面だけでなくソフト面もしっかりできていた。 スタッフの言葉遣い、服装、子供への対応がよかった。 食事の際、子供がぐずったら、若いスタッフがメロンパンナちゃんのぬいぐるみを持ってきてくれてあやしてくれた。 そのちょっとした気遣いが、どのセクションでも感じられ、コロナの中、久々あたたかい気持ちになった。

Q&A

  • Q. 宿までのアクセス方法を教えてください。

    A. 山口宇部空港、新山口駅からともに車で90分程度です。途中、観光スポットが点在しておりますので、レンタカーでのご来館をおすすめします。

  • Q. 日帰り入浴はできますか?

    A. 日帰り入浴はお受けしておりません。「あけぼのカフェ」は宿泊者以外もご利用いただけます。

  • Q. 「あけぼのカフェ」はどこにありますか?

    A. 音信川へ向かう「あけぼの門」を外に出て、右手にございます。

  • Q. 昼食はどこがおすすめですか?

    A. 鶏肉料理の「恩湯食」、瓦そばの「柳屋」、やきとりの「さくら食堂」のほか、宿から山口宇部空港・新山口駅へと向かう途中の「道の駅センザキッチン」には海鮮を焼けるバーベキューコーナーがございます。

  • Q. 観光のおすすめスポットは?

    A. 車で約20~30分の「元乃隅稲成神社」、車で約10分の「道の駅センザキッチン」がおすすめです。また弁天池の清らかな水を仕込み水に醸す酒蔵「大峰酒造」は空港・駅へ向かう途中、宿から40分ほどの場所にあります。