四万温泉（群馬県）

チェックイン前を楽しむ

湯治場の面影残る街を散策

無料の外湯をめぐり歩いて歴史ある名湯を満喫する

四万温泉の湯は古くから「四万の病に効く」と謳われ、全国各地から湯治客が集まる名湯として広く知られてきた。昭和29年に国民保養温泉第1号に指定されたことも、効能の高さを物語っている。この名湯、宿泊する旅館でゆっくり堪能するのはもちろん楽しいが、ひなびた湯治場時代の面影を伝える4つの外湯をめぐれば、その旅情もひとしおである。いずれも無料で誰でも自由に入ることができる。

地元の人との会話を楽しむのもよし、同じ旅人同士で故郷自慢に興じるのもよし･･････古きよき温泉文化を肌で体験しよう。まずは四万温泉発祥の地といわれる日向見にある「御夢想の湯」へ。唐破風の付いた堂々たる湯屋建築は平成18年に新築されたものだ。浴室は檜の香り漂う吹き抜けの空間で、小さめだが立派な石造りの浴槽がある。

温泉街中心部に戻り、次は四万グランドホテルの玄関近く、四万川と新湯川の合流点にある総石造りの「河原の湯」へ。ここではほの暗い中で洞窟風呂のような雰囲気が楽しめる。このほか、山口地区には和風情緒いっぱいの「上之湯」、渓流沿いの野趣あふれる山口露天風呂がある。また、有料の日帰り温泉として「四万清流の湯」、「こしきの湯」の2ヶ所もあり、名湯にふさわしい充実ぶりといえる。

外湯めぐり

電話:0279-64-2321(四万温泉協会)
営業時間:9時～15時(山口露天風呂は9時～21時)
定休日:無休
入館料:無料
アクセス:JR吾妻線中之条駅から関越交通バス40分四万温泉下車徒歩25分(御夢想の湯)
駐車場:あり20台(無料)
住所:群馬県吾妻郡中之条町四万温泉日向見

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編集部チェック！

四万の湯は、飲んでも胃腸病や食欲増進に効能が高い。写真は温泉街のバス通り沿いにある「塩之湯飲泉所」。ほのかな甘味さえ感じる湯は美味で、散策の途中で喉を潤すのにもぴったりだ。ただし、成分が強いので飲みすぎるとお腹がゆるくなる場合があるので注意。このほか、国民宿舎四万ゆずりは荘の近くにも「ゆずりは飲泉所」がある。ボリュームたっぷりの旅館の夕食を食べる前に一口いかが。

ひっそりとたたずむ日向見薬師堂で歴史を体感

御夢想の湯の隣に建つ茅葺きのお堂が日向見薬師堂。現在の建物は慶長3 (1598) 年の再建で、国の重要文化財に指定されている。必要最低限の木材で建てられた簡素な三間四方のお堂は、和様と禅宗様の折衷様式。堂内には天文6 (1537) 年建造の厨子が安置されている。
お堂の前に建つもう1棟の茅葺き建築は「お籠堂」といわれ、古くは湯治客が病気平癒のために籠って荒行をしたところ。ともに四万温泉の歴史を伝える貴重な遺産である。

日向見薬師堂

電話:0279-64-2321(四万温泉協会)
営業時間:境内自由
定休日:無休
アクセス:JR吾妻線中之条駅から関越交通バス40分四万温泉下車徒歩25分
駐車場:あり20台(無料)
住所:群馬県吾妻郡中之条町四万温泉日向見

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散策途中の足休めは温泉マークのカプチーノで

温泉街の中ほどにあるモダンなカフェ。昭和初期の民家を改装した2階建ての建物は、吹き抜けの天井やそれを支えるがっしりとした梁が印象的だ。淡い照明がともるノスタルジックな店内で、オリジナルメニューが楽しめる。
1番人気は可愛らしい温泉マークをあしらったカプチーノ550円。ランチならキーマとタイの2種類が一皿で味わえる柏屋カレー950円がおすすめ。濃厚な味わいのイタリアンラーメン950円は体がポッカポカに。

柏屋カフェ

電話:0279-64-2414
営業時間:10時～18時
定休日:木曜日
アクセス:JR吾妻線中之条駅から関越交通バス39分四万局前下車すぐ
駐車場:なし(河川敷公共無料駐車場を利用)
住所:群馬県吾妻郡中之条町四万4237-45

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思わず熱中してしまう柳屋遊技場のスマートボール

ひなびた温泉場の風情が今もよく残る落合通り。その中ほどで煌々と灯りがともっているのがスマートボールとパチンコの柳屋遊技場だ。引き戸を開けると、女将の京田二三子さんが明るい笑顔で迎え入れてくれる。
この場所で50年ほど前から営業しているというだけあって、昭和の香りが残る店内は懐かしさでいっぱい。浴衣姿でボールを弾けば、温泉旅情もひときわ高まるというものだ。スマートボールは45玉300円。

柳屋遊技場