日本初の国立公園の雲仙は「九州の軽井沢」といわれ、昭和初期には外国人が避暑に利用していた温泉リゾート地。昔から地元の人が親しんでいる古湯、外国人が利用していた新湯、少し離れた小地獄からなる。季節ごとに表情を変える山々も見もの。
およそ20か所の源泉から豊富な熱湯が湧き、いたるところに湯気が立ち込める。和銅6(713)年、『肥前国風土記』に伝えられる温泉で、近年は日本一長い足湯「ほっとふっと105」も人気。海に落ちる夕日は美しく、歌人の斎藤茂吉が「海の落日も忘れざるべし」と詠っている。
ポコポコと噴気を上げる地獄がそこかしこに見られ、独特の風景が広がる雲仙温泉郷。そのなかでも、乳白色の湯が豊富に湧く小地獄温泉。民宿や立ち寄り温泉館がある。
標高700mの高原に湧く名湯
標高1,300m級の雲仙岳を中心に胃袋のような形をした島原半島は、雲仙天草国立公園に指定されている風光明媚なエリア。雲仙温泉は半島の中心部、普賢岳の南に広がる高原に位置する歴史ある名湯だ。ここは明治時代には外国人の避暑地として賑わったため、瀟洒なホテルスタイルの宿も多く残っている。