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鹿児島県・妙見温泉

あの憧れの川沿い露天へ 〜妙見石原荘〜

一度は泊まってみたい憧れの湯宿として、真っ先に思いつくのが鹿児島県・妙見温泉の「妙見石原荘」。「レストラン石蔵」のインテリアも素敵ですが、お風呂への通路や休憩スペースに至るまで、空間の居心地の良さは秀逸です。

右手に玄関、左手に石蔵の建物があります ≪写真:野添ちかこ≫
ラウンジでチェックインを済ませ、客室へと向かいます。
この日宿泊したのは、「薄墨(うすずみ)」という、川沿いにある8畳+6畳の数寄屋風の客室。

「薄墨」の客室 ≪写真:野添ちかこ≫
本館の客室には数寄屋風、現代和風、民家風などがあり、全て日本古来の伝統色の名前が付けられています。

客室には金庫はなく、蛇口をひねれば湧き水が出てくるとのこと。

風呂の利用は6〜24時で深夜でも入れますが、貸し切り風呂を予約したので夕食前のひとっ風呂へと出かけました。

泉質は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。
渡り廊下の途中にある飲泉所の「薬泉」を口に含むと、炭酸の味がしました。
薬泉の炭酸ガス含有量は735mg/L。もうちょっと多くなると、二酸化炭素泉になりますから、シュワシュワを体感できるのでしょう。

露天風呂「七実の湯」と「睦実の湯」は、30分1組1000円。
湯船の中にライトが仕掛けられていて、「炭酸ガスのシュワシュワの泡が肌表面について見える」という触れ込みでしたが、この日は辺りはすでに真っ暗になっていたため、泡は見えず、写真に撮ってもシルエットのみ(笑)でした。

カタツムリのような形状をしており、深さが徐々に深くなる「睦実の湯」 ≪写真:野添ちかこ≫
夜は景色が見えませんでしたが、明るくなると、2つの湯船はいずれも川沿いにある絶景だということがよくわかります。川のせせらぎを聴きながら、緑にも包まれて、「ああ幸せ」と思わずつぶやいてしまいます。

ナナミノキがある「七実の湯」 ≪写真:野添ちかこ≫

考え尽くされたメニュー

食事処はひときわモダンな建物、「石蔵」にあります。
「石蔵」は昭和初期に建てられた米倉庫で、先代社長がオークションに出ていたのを落札し、解体して一つ一つ積み重ね、2007(平成19)年に移築が終わったそうです。

土、木、石といった天然素材を使っていることに加えて、半個室を区切るパーテーションは金属や古い器、ガラス、布などさまざまな素材を遊び心たっぷりで取り入れた面白いデザイン。最近はこれを真似した宿も出てきましたが、造られた当時はかなり斬新なデザインだったことでしょう。

半個室を区切るパーテーションが個性的 ≪写真:野添ちかこ≫
霜月のメニューの前菜は、柿なますや子持ち鮎有馬煮、海老あられ揚げ、銀杏ムカゴ松葉揚げ、焼きのこ菊菜の浸しなど、晩秋を感じさせるもの。イチョウの葉など庭で採ってきた葉っぱが飾りに使われています。

ひょうたん南瓜をそのまま使った器から、「南瓜のすり流し(南瓜のスープ)」が注がれます。とても優しい味わいでした。

南瓜のすり流し ≪写真:野添ちかこ≫
お次はお造り。鯛やシマアジを鹿児島・垂水の生ワサビ、出汁割り醤油、ポン酢でいただきます。

お椀は、黒豚の沢煮椀。
「沢煮」とはたくさんの野菜という意味だそうで、黒七味が利いています。

朱色の器の上には、薄い杉板で包まれた「かます」。スダチを絞っていただきます。柚子の中にはゆり根、ホタテ、アボガドが入っていて、小さなびっくり箱みたい。

作家ものと思われる器の美しさ、斬新な使い方にうっとりしてしまいます。

杉板焼 柚子釜焼 ≪写真:野添ちかこ≫
洋梨とわさびのソルベで口中をシャッキリと爽やかにした後に出てきた炊き合わせは、黒豚角煮。ほっこり煮たかぶ、かぼちゃ、海老しんじょにケシの実、白髪ねぎが添えられています。

初めから一人分ではなく、大皿に盛り付けてあってそこから取り分けるスタイルなのでより豪勢に見えます。


また、地鷄つくね鍋の出汁はカツオと鶏ガラ。ポン酢と柚子胡椒でいただきます。
この日は、お昼もたっぷりと食べていたので、食べられるか心配でしたが、繊細な味付けなので箸が進みました。

ご飯は「山太郎ご飯」。山太郎蟹というのはもずく蟹のことだそうで、天降(あもり)川にも生息しているそうです。この日の蟹は川内(せんだい)川のもの。「海の蟹ほど身は多くないのでしゃぶるように食べるのがコツ」とのことです。

山太郎ご飯 ≪写真:野添ちかこ≫
「当館の水で作った水ゼリー、霧島の雫でございます」。
スイーツとして出てきたのは、なんと、「水」が主役の「水ゼリー」。砂糖などは一切入っておらず、凝固剤としてアガーという海藻が使われているそう。アガーを使うと、ゼラチンや寒天と比べて透明度が高い仕上がりになるそうです。

虫メガネみたいに透明な、プルップルのゼリー。
「水の綺麗な宿」は全国に数あれど、こんな風に視覚から訴えられると、記憶に残りますね。
お味は・・・というと、水の味なので甘くはなく、黒蜜ときな粉でいただきます。

霧島の雫 ≪写真:野添ちかこ≫
最後の最後にもう一つ、アイス最中、りんごの赤ワインコンポート寄せが出てきました。
期待を裏切らない、どこまでも考え尽くされたメニューでした。

湯の質にもとことんこだわる

妙見石原荘の浴室は、湯の“新鮮さ”にこだわり、なるべく源泉の近くに湯船を作っているのだそうです。天降(あもり)殿(大浴場)は引湯距離35メートル、椋の木露天風呂は14メートル、石蔵の客室露天風呂は11メートル。もっとも源泉から近いのは本館特別室で、源泉の真上に造られています。

7本ある自家源泉のうち、利用されているのは3本。
使われていない源泉は、というと、川向こうにただ捨てられているだけの源泉があったりして、とにかく贅沢です。

使っている源泉3本の湧出量は毎分900リットルもあり、うち300リットルが大浴場に注がれています。

大浴場「天降殿」は壁面に鹿児島大学教授で彫刻家、池川直さんの彫刻が素晴らしいです。芸術を眺めながら、湯に浸かる至福の時間が過ごせます。

男女別大浴場「天降殿」 ≪写真:野添ちかこ≫
湯量が十分に多いことは先ほど説明しましたが、注がれる湯は、熱交換システムで、水で薄めることなく適温にし、源泉かけ流しにしているとあって、温泉の質にこだわる人には堪りません。この湯に入って眠りにつけば、快眠間違いなし!

そうそう、妙見石原荘は寝具や寝巻の質にもこだわっているので、質の良い睡眠で、翌朝はいい目覚めができることでしょう。

私のお目当ての風呂は、「椋の木野天風呂」です。
最奥にある野天風呂で、椋の木が頭上を覆っています。

混浴の「椋の木野天風呂」 ≪写真:野添ちかこ≫
簡単に屋根をかけただけの鍵もない脱衣所で服を脱ぎ、そのまま石段を下りた先にある風呂へと向かいます。遮るものは何もなく、まさに絶景。川までの距離も2メートルもないでしょうか。本当に近い!! 巨石が配され、その上に苔やシダが生い茂った野趣あふれる野天風呂。お湯はグレーっぽい薄濁り。石はところどころ、茶色く変色しています。

混浴なので先客がいると女性客は入りずらいですが、朝食後は誰もおらずゆっくりと入浴できました。

川には白鷺が舞い降りてきて、幸せなひとときでした。



お土産は飲泉カップを。
チェコのカルロヴィ・ヴァリの飲泉カップを模したオリジナルだそうで、現在は7種類を販売しているそうですよ。

オリジナルの飲泉カップ ≪写真:野添ちかこ≫

妙見石原荘

  • 鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地
  • 全19室(本館15室、石蔵4室)
  • IN 15時/OUT 11時
  • 1泊2食 23,910円(1室2名利用時、消費税・入湯税込)〜
  • 日帰り入浴 可(11時30分〜15時、平日の籠ランチプラン5940円〜)

写真と文・野添ちかこ(温泉と宿のライター/旅行作家)

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