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いくつもの社寺が世界遺産に登録され、何かと注目を浴びる日光。長い間、都内からの直行列車は、東武浅草駅からしかなかったが、2006年JR新宿駅と東武日光・鬼怒川を結ぶラインが開通。東京西部エリアから、ぐ〜んと時間が短縮され、日光が一気に近くなった。
ユバにカンピョウ、マスにアユ、最近では栃木和牛も大変評判が良いと聞く。また、知る人ぞ知る東武線沿線の極上駅弁の存在も…。
駅弁たべりんぐとらべりんぐ第3回は、北関東を代表する観光地日光へ。
いざ、出発進行!
新宿駅3番線ホーム。「鬼怒川行き」と打ち出された電光掲示板を確認し、列車に乗り込む。下部にエンジとオレンジ色のラインが入ったJR東日本の車体は、モダンというよりレトロな風体だ。それにしても、新宿→日光・鬼怒川の直行列車が通って1年以上経つというのに、まだ新宿駅に「鬼怒川行き」列車が停車していることに違和感を覚える。子どものころから、日光・鬼怒川への出発駅は東武浅草駅と決まっていた。もう何十年もそうやって行っていたのだから、慣れないのは仕方がないか。
目指すは日光。世界の日光! だ。新宿から約2時間の列車旅はあっという間だが、やはり駅弁はしっかりと仕入れなくちゃね。
新宿駅は、基本的には東京駅や上野駅と同じ駅弁が売られているが、中央線限定の「新宿弁當(しんじゅくべんとう)」がある。買うならやはり、これだろう。運良く最後の1個をゲット。まだ新宿駅を発車する前に掛け紙をごそごそと開けてしまった。
昔ながらのこよりの掛け紐に、新宿駅開業当時の錦絵をデザインした掛け紙。ほぼ正方形の容器には、中央線沿線の特産物を使ったおかずがびっしりと詰め込まれている。
列車は大宮を過ぎた後、栃木駅、新鹿沼駅に停まり、日光への乗り継ぎ駅となる下今市駅に到着。ホームの反対側に日光行きが停まっていたが、私たちはそれには乗らず、下今市駅で駅弁を探す。
あまり知られていないが、下今市駅には、駅弁の立ち売りさんがいるのである。そう、首から吊り下げた木箱に弁当を積んで「べんと〜〜、べんと〜〜〜ぅ!」と駅弁を売り歩くおじさんだ。昭和30〜40年代には100人以上いたと言われる立ち売りさんも、今では全国に10人足らず。ハードな労働のうえ、歩合制のギャランティ、さらに窓が開かない現代の列車では立ち売りさんから駅弁を買う人が少ない、などなど理由はたくさんあるが、いずれにせよ立ち売りさんと巡り合うことはめったにないのだ。その立ち売りさんが下今市駅にいると知ったら会わずにはいられない。
そして発見! おじさんは上りホームの端っこをとぼとぼと歩いていた。この日の気温35℃。背中も帽子も汗に濡れている。
「おじさん、駅弁ください」
「はいよ、いくつ?」
「二つ。おじさん朝からずっとホームにいるの?」
「いるよ」
「お歳はいくつですか?」
結局、名前も年齢も教えてくれなかったが、下今市駅で50年間立ち売りをしているそう。シビれちゃったね。イカしてるよ、おじさん。
買ったのは「日光まるごと味の弁当」と「日光山菜おこわと地鶏の弁当」。前者は9分割の容器に、煮物や焼き物、ご飯が盛り込まれた田舎風幕の内。後者は味付けご飯の上に錦糸卵、地鶏の照り焼き、山菜がのり、味付けユバがたっぷり添えられた満足度の高い駅弁だった。会えてよかった〜。
乗り換えてすぐに到着した東武日光駅では、ズラリと駅弁が並ぶ中から、シンプルな「ささむすび」を買って、レンタカーを借りる。今夜の宿は「休暇村日光湯元」。奥日光・湯元温泉にある公共の宿で、白濁した温泉が気持ちいい〜〜のだ。それに、何より涼しい。エアコンなど必要ない、窓から流れ込む涼風が心地よい避暑リゾート。何度も温泉に浸かり、森を眺めつつワインで食事。極楽極楽でありました。
周囲2.8qの湯ノ湖のほとりに建ち、シラカバやカラマツ林に囲まれたモダンな宿。窓から眺める深い林がリゾート気分を盛り上げる。温泉は薄く白濁した硫黄泉。神経痛や火傷、創傷などに効能があり、柔らかい肌触りが好評だ。
〒321-1662 栃木県日光市湯元温泉
TEL:0288-62-2421
http://www.qkamura.or.jp/nikko/
1泊2食 13,125円〜