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温泉利用型健康増進施設

温泉に入って健康になれてさらに税金が返ってくる制度!そんな制度があることをご存知でしょうか?
「温泉利用型健康増進施設」が、それを実現してくれる温泉施設なのです。
ここでは「温泉利用型健康増進施設」とはどんな施設で、どのように利用すれば医療費控除の対象となるのかを詳しく紹介します。

「温泉利用型健康増進施設」とは

「温泉利用型健康増進施設」とは、厚生労働省が定める一定の基準を満たし、温泉を利用した健康づくりを図ることができる施設のことをいいます。 厚生労働省から認定された施設であることの証明として、それぞれの施設にはマークが掲出されていますので安心してご利用いただけます。
認定施設を利用して温泉療養を行い、かつ要件を満たしている場合には、施設の利用料金、施設までの往復交通費について、所得税の医療費控除を受けることができます。

「温泉利用型健康増進施設」の取り組みについて伺いました

今回、「温泉利用型健康増進施設」を紹介させていただくにあたり、認定を管轄している厚生労働省の原渕さんにインタビューをさせていただきました。色々な省庁を担当し経験豊富な原渕さんに「温泉利用型健康増進施設」の活用法なども伺いました。

Q.温泉利用型健康増進施設について教えてください。
A. 温泉利用型健康増進施設とは、厚生労働大臣が認定を行った「健康増進のための温泉利用及び運動を安全かつ適切に行うことのできる施設」のことです。
わかりやすく言うと、「温泉の温浴施設」と「フィットネスジム」が両方備わっているような施設といえばイメージしやすいと思います。
昭和63年に制度を開始し、認定1号はクアハウス碁点(山形)、その後認定は増え、現在、全国17施設が認定されています。
それぞれの施設には厚生労働大臣から認定を受けた施設である証として、マークが掲げられています。
Q.温泉利用型健康増進施設の活用法は?

A.温泉を利用した各種の入浴設備と運動設備が総合的に整備されています。
(運動施設:トレーニングジム・プールなど。入浴施設:かぶり湯、寝湯、気泡浴槽、サウナなどを設置)
入浴施設には「温泉利用指導者」の資格を持ったスタッフがおり、医師が作成した温泉療養指示書に従って入浴指導を行います。 また、温泉療法の知識・経験を有する医師のいる医療機関とも提携しています。さらに、運動施設にも「健康運動指導士」等の運動指導を行うスタッフが配置されており、 健康増進のための運動を安全かつ適切に行うことができるようになっています。
この温泉利用型健康増進施設の大きな特徴としては、認定施設を利用して温泉療養を行うと、要件を満たした場合、施設の料金、施設までの交通費について、所得税の医療費控除を受けることができます。

Q.今後の活動について教えてください。
A.これまで温泉利用型健康増進施設は、1つの施設で入浴設備と運動設備の両方の設置が必要でしたが、平成28年4月より、入浴設備を持つ施設と近接する運動施設を持つ別の施設とが連携し、一体となって運営されているものも認定可能とする規制緩和を行いました。
この規制緩和により、温泉利用型健康増進施設(連携型)として、平成29年7月に2つの施設が新たに認定を受けました。(7/4北海道豊富町、7/27大分県竹田市)
安全かつ適切に施設を利用でき、医療費控除制度もある「温泉利用型健康増進施設」をもっと多くの方に知っていただけるよう、これからも広報に力を入れていきたいです。
厚生労働省 健康局 健康課
原渕 明様

認定の施設をピックアップ

温泉利用型健康増進施設について分かってきたところで、具体的にどんな施設があるのか、今年認定された施設を覗いてみましょう!

これまでの温泉利用型増進施設の認定条件では、同じ建物内に温泉施設と運動施設が一体的に整備されていることが条件でした。
それに対し、全国の7温泉地自治体の首長が厚生労働省に要件緩和を要望。その結果、2016年4月に規制が緩和され、
温泉施設と運動施設が近距離で連携している場合でも「温泉利用型健康増進施設」と認められることとなりました。

この規制緩和により、認定施設が更に増えていくことが期待されます。
それにさきがけ、2017年にその1号として新たに2施設認定されました。どちらの施設も特出すべき泉質の温泉地です。

加藤厚生労働大臣(中央)と認定式の様子

加藤厚生労働大臣(右)と認定式の様子(2017年当時)

町営ふれあいセンター&豊富町温泉自然観察館
北海道 豊富温泉

世界でも珍しい油分を含んだモール泉

豊富温泉で供用されている温泉には、2種類の泉質があり、 いずれも黄濁し、井戸からは石油や天然ガスとともに湧出してくるため僅かに油分を含んでいるそうです。 成分に多く含まれる重曹・ホウ素は皮膚を綺麗にする・殺菌効果が高いという特徴があり、 また豊富温泉の最大の特徴である油分は保温保湿効果が高いと言われ、 乾癖やアトピーに対しては、油分に含まれるタールが抗炎症作用を発揮すると考えられているそうです。
全国から皮膚疾患の療養のために湯治に訪れる方が多いそうです。

> 施設の詳細はこちら

豊富温泉 アトピー性皮膚炎30代男性の湯治後の様子。

豊富温泉 アトピー性皮膚炎30代男性の湯治後の様子。
(※効能には個人差があります)

豊富温泉 アトピー性皮膚炎30代男性の湯治後の様子。

長湯温泉療養文化館「御前湯」&
竹田市直入B&G海洋センター体育館
大分県 竹田温泉

全国およそ3,100か所ある温泉地の0.4%しか湧出していない「炭酸泉」

温泉療養の先進地であるドイツ国バード・クロツィンゲン市にある「ヴィタ・クラシカ」と国際姉妹温泉施設を締結している温泉地。
ドイツでは、炭酸泉は「心臓の湯」とも称され、循環器系疾患の予防、改善をはじめ、消化器系、関節疼痛、疲労回復などの効果が期待できるとされているそうです。
また、竹田温泉では温泉水の飲泉許可もあり、慶應義塾大学先端生命科学研究所・日本健康開発財団との共同研究で「飲泉による糖尿病の予防効果が期待できること」などの医科学調査も継続的に実施しているそうです。

> 施設の詳細はこちら

体表面温度の変化

竹田温泉 炭酸泉による体表温度の変化、明らかに体温上昇率が高いことが分かる。(※効能には個人差があります)
出典:後藤康彰 他「竹田温泉群への短期入浴作用」82回日本温泉気候物理医学会学術集会, 2017

健康増進プログラムって?

各温泉施設で温泉に入り運動するプログラムはどんなものがあるのでしょう?ここでは関西エリアで昨年認定された「神戸みなと温泉 蓮」の健康増進プログラムを例に内容を紹介します。

健康増進施設には厚生労働大臣が認定した「温泉利用指導者」や「健康運動指導士」などの有資格者の配置が義務づけられています。
温泉医学、温熱生理・治療学等の基礎的な知識があり、温泉の持つ保健的機能を利用して健康増進できるように、お客様へ安全かつ適切に指導してくれます。
また、医師の指示に基づき温泉や運動を取り入れたプログラムを行えるようにサポートしてくれます。
スタッフの指導の下、プログラムを利用できます。

「神戸みなと温泉 蓮」では計8種のプログラムが用意されています。
温泉入浴の指導のほか、フィットネスジムでのトレーニング・水中エクササイズなどを行いながら、日常の生活をする上での注意点なども分かりやすくアドバイスしてくれるそうです。

[流れ]

体脂肪や栄養状態など体成分を測定 → 測定結果を基にカウンセリング → 利用者の要望に応じてプログラムを作成 → スタッフ指導のもと温泉療養を開始

[プログラムメニュー]

●ダイエットメニュー
とにかく痩せたい、引き締めたい!という方、痩せやすい体質をつくり、基礎代謝の改善を目指します。
●メタボリックシンドローム改善
最近お腹の周りが気になる方、予防と改善を目指します。
●温泉と蒸気を使った美容法
温泉のナノミストサウナで潤いと艶のあるお肌を目指します。
●高血圧改善
正しい入浴法と運動、食事指導で高血圧の予防と改善を目指します。
●慢性腰痛改善
長時間のデスクワークや、毎日の家事による腰痛に長年悩まされてきた方、正しい温泉の浸かり方で腰痛を改善しましょう。
●便秘改善
温泉でリラックス。お腹の調子を良くすることを目指します。
●免疫力向上
疲れやすい、急に花粉症に!?年齢と共に免疫力は低下してしまいます。免疫力アップで病気を未然に防ぐことを目指します。
●膝痛改善
安全な運動でバランス力・筋肉量アップ。日頃の膝の痛みの改善を目指します。

>「神戸みなと温泉 蓮」の詳細はこちら

ここで紹介したプログラム以外にも、各施設でも様々なプログラムが用意されています。

医療費控除と確定申告の流れ

では具体的にどんな症状がある場合に有効なのでしょうか。
この制度は、温泉が脳血管障害、糖尿病、高血圧などの生活習慣病に一定の効果があり、生活習慣病対策の一環として普及を図ること。健康づくり、疾病予防に対応できる体制をつくること。が目的でした。
しかし現代では施設によって様々なプログラムを工夫されています。(ダイエット、温泉美容、皮膚病、腰痛、便秘、免疫向上、うつ病etc)

医師を訪ね、相談する

医師を訪ね、相談する

  • 体調を主治医に相談し「温泉療養指示書」を書いてもらいます。
  • 主治医以外の医師に相談する場合は、主治医からの紹介状やからだの状態をメモしたものを持っていくようにします。

    ※診察を必要とすることがありますので、健康保険証をお持ちください。
    ※かかりつけの医師(主治医)、主治医から紹介される医師(温泉療法医など)あるいは認定施設が提携関係を結んでいる医師などをいいます。

「温泉療養指示書」を受け取る
認定施設を訪れる
  • 認定施設には、温泉利用指導者(トレーナー)がいます。「温泉療養指示書」を渡してください。
  • あなたにあったプログラムを作成してくれる場合や、施設オリジナルのプログラムで対応してくれます。
  • ※念のため健康保険証をお持ちください。

認定施設で温泉療養を行う

認定施設で温泉療養を行う

  • おおよそ1ヶ月以内に7日以上の利用がなされなければなりません。
  • 「温泉療養指示書」に従って、温泉利用指導者の指導が行われます。

    ※指導料などがかかる場合もあります。
    ※指導料も控除対象となります。利用日数は通算できます。
    (連続利用でなくてもよく、週末利用でも1ヶ月に7回利用していれば医療費控除の対象になります)

認定施設で「領収証」などを受け取る
  • 利用が終わったら、「領収証」と「温泉療養証明書」を施設からもらいます。

    認定施設の提携医師ではない医師が「温泉療養指示書」を作成した場合は、施設から「温泉療養報告書」が渡されます。
    「温泉療養報告書」の場合は、「温泉療養指示書」を作った医師のところへ持参し、「温泉療養証明書」に作り替えてもらいます。

  • 国税庁:温泉利用型健康増進施設の利用料金の医療費控除の取扱いについて
        https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/160624/index.htm
        「温泉療養証明書」のダウンロードはこちら
医師を訪問し、「温泉療養証明書」に終了証明をもらう

医師を訪問し、「温泉療養証明書」に終了証明をもらう

  • これで確定申告に必要なものが揃いました。確定申告まで大切に保管しておいてください。
税務署で確定申告する
  • 確定申告用紙に記入し、「温泉療養証明書」、「領収書」を提出あるいは提示します。

ぜひお近くの健康増進施設を訪れてあなたの健康のために、温泉療養を取り入れてみてはいかがでしょうか?

※2023年4月現在の情報です。掲載情報は変更される場合があります。
コロナ禍の影響により休業日や営業時間に変更が生じる場合があります。
詳しくは各施設の公式URLよりご確認ください。