「鉱泥湿布」で肩こり、腰痛を撃退 ~三朝温泉(鳥取県)~

浸かったり、飲んだり、蒸気を浴びたり、泥パックや化粧品として肌に塗ったりと、温泉の入り方・活用方法はさまざまありますが、医療機関と連携した画期的な取り組みがスタートしていると聞いて、鳥取県・三朝温泉の「鉱泥湿布」を体験してきました。

「鉱泥湿布」というネーミングから、いわゆる患部に泥を塗りたくる“泥パック”をイメージしていましたが、三朝温泉の「鉱泥湿布」は裸にならずに服を着たまま体験できます。肩や腰、膝など痛みのある場所にバスタオルにくるんだ泥を当てるので、泥を使用してはいるものの、手も服もまったく汚れません。

「そんなので本当に効くのかな?」と思ってしまいますが、意外や意外。この「鉱泥湿布」の効果、かなりスゴイんです。

治療場所は、温泉旅館ではなくて、「三朝温泉病院」。

以前は「岡山大学三朝医療センター」で無料で行われていたそうですが、2017年4月~、有料で観光協会の事業としてこのようなサービスがスタートしました。

三朝温泉病院に着くと、三朝温泉のラドン温泉を紹介する漫画や鉱泥湿布の効用や注意事項を記した小冊子を貸し出してもらい、会議室で簡単なオリエンテーションが行われます。

温泉病院で渡される小冊子などで三朝温泉の泉質をお勉強 ≪写真:野添ちかこ≫

「腫れているところ、赤くなっているところには使用しないでくださいね。そして少しでも熱いと思ったら、おっしゃってください」。

担当の女性から注意事項を聞いて、いざ「鉱泥治療室」へ。1フロアに14床のベッドが等間隔で並んでいます。奥を見ると、入院患者がシーツにくるまって寝ていました。

釜の中では、80℃以上の高温に熱せられた茶褐色の土が3つ足のブレンダ―のような機械で混ぜられています。粘土質の土に三朝の温泉が練りこまれたものだそうで、この泥をおばちゃんが慣れた手つきで厚手のバスタオルでくるみ、さらにそれを浴用タオルで包みます。患部に当てるときには42~43℃ほどの熱さで、これはお風呂に入るよりもちょっと熱いくらいの温度だそうです。

温泉水を混ぜた泥を使って、オリジナル温湿布をつくります ≪写真:野添ちかこ≫

泥を厚手のタオルでくるんで使用します ≪写真:野添ちかこ≫

温泉湿布はカイロくらいのミニサイズを予想していましたが、一辺が25㎝くらいはあるでしょうか。腰と首に当てて寝転ぶと、じわりじわりと温かさが放射状に広がっていって、それはもう気持ちのいいこと。天国に誘うかのごとく、温かさが皮膚から筋肉、そして骨、内臓にゆっくりと広がっていきました。じんわりと温泉熱に温められることによって、体の痛いところ、悪いところ、滞っているところが、ピンポイントで分かってきて、熱によってそこが少しずつ修復されていくようなイメージでした。私は数年前にぎっくり腰をやってしまって疲れが出ると腰に来るのですが、30分の緩やかな温熱治療が終わるとすっと痛みが抜けていました。腰痛や五十肩、股関節痛、膝関節痛、関節リウマチなどの疼痛疾患に効果的だそうです。温泉熱は保温効果が高いといいますが、30分経っても温湿布はほかほかのまま。温泉の威力ってすごいんだなぁ~。

灯りを落として30分。背中から腰から、じんわりと温かさが広がります ≪写真:野添ちかこ≫

施術は10時50分~と13時40分~の2回で、午前・午後ともに定員6名なので予約はお早目に。

以前は歓楽温泉として名をはせた三朝温泉ですが、全身の細胞を刺激して新陳代謝を促進、免疫力や治癒力を高める効果の高い「ラドン温泉」の温泉力に着目し、温泉街挙げて健康温泉へと舵を切ったのはいまから15年ほど前だそうです。

「むかしはソープランド3軒、見番2軒、置屋はたくさんあったけれど、バブル崩壊とともに芸妓組合もなくなった」と宿泊した宿の主人が教えてくれたけれど、ラドン温泉の効果を入浴客に教える「ラジムリエ」の育成に力を入れるなど、温泉街を挙げて現代版湯治の色合いが強くなってきていて、まさに健康づくりができる温泉場に生まれ変わっています。

病院内には飲泉所があったり、入院患者、外来患者のみならず見舞いに来た人も気軽に入れる足湯があります。私が訪れた時には、膝の軟骨がすり減ってしまって2週間前に膝関節にボルトを入れる手術をした男性が、足湯で患部を浸していました。源泉は5本あるので足湯だけでなく、浴室にも温泉が引かれているそうです。同じ入院するにも温泉があるとないのでは治るのに大きな差がありそう。家の近くにこんな病院があったらいいなと思います。

病院内にある足湯はちょっと熱めですが、外傷にはとくに効果的とか ≪写真:野添ちかこ≫

病院内には飲泉場も設けられています ≪写真:野添ちかこ≫

遠方からの人向けに、メタボリックシンドローム教育入院(入院期間5日間、保険適用3割負担の場合約4万9000円、1割負担の場合約1万9000円)、リウマチ教育入院(入院期間4日間、保険適用で3割の場合約5万3000円)、糖尿病教育入院(入院期間8日間、保険適用3割負担の場合、約8万1190円)など、ラドン温泉に浸かって健康づくりができる教育入院というのもあるそうです。

さきほどの「鉱泥湿布」なら気軽に試せるので観光客には超オススメです。料金は一人1500円。

申し込みは、宿泊する旅館まで。

詳細は、三朝温泉観光協会 TEL0858-43-0431

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