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【国立公園の楽しみ方】支笏湖ブルーの煌めきを間近に ~丸駒温泉旅館(北海道)~

「支笏湖の周囲は40.3㎞。全長約35㎞の山手線の内側、都心がすっぽりと入るくらいの大きさです」
“水質日本一”連続9年、支笏湖ブルーとよばれる淡い水色はどこまでも澄んでいて、冬でも凍ることはない「最北の不凍湖」。丸駒温泉旅館の朝の楽しみは、支笏湖を巡るレイククルージングから始まります。

恵庭岳の麓にたたずむ一軒宿 ≪写真:野添ちかこ≫

恵庭岳の麓にたたずむ一軒宿 ≪写真:野添ちかこ≫

透明度は平均して20cm、最も高いところで50cmもあり、ヒメマス、サクラマス、アメマス、カジカ、スジエビ、ブラウントラウトなどの魚が棲んでいて、釣り人の格好の漁場となっています。

きらきらと輝く湖面を眺めながら、クルーザーが進みます。正面には風不死岳、左前方には恵庭岳を望む絶景が広がります。風不死岳は「トドマツの多いところ」という意味だそう。

これが支笏湖ブルー!! ≪写真:野添ちかこ≫

これが支笏湖ブルー!! ≪写真:野添ちかこ≫

「熊落とし」と呼ばれる断崖は、昔、アイヌ人が谷に熊を追い込んで、毒槍や石で仕留めて落としたところ。

お母さんガモのうしろに子ガモたちが並んで泳ぐ可愛らしい光景にも出合いました。カルガモよりもちょっと小さめ? ガイドの方に聞くと、ヒドリガモだそうです。

支笏湖ブルーと木々の緑、空の青……。360℃癒しの景色に包まれて、知らず知らずのうちに心も体も軽やかになっていました。

「やっぱり、この季節に来て正解だった」。そんなふうに思っていたら、紅葉シーズンもまたいいのだそう。この景色が一面、赤や黄色に色づくのはいったいどんなだろうか。9月下旬~色づき、10月15~25日頃がピークとか。

風が心地いい♪ ≪写真:野添ちかこ≫

風が心地いい♪ ≪写真:野添ちかこ≫

途中、宿のスタッフ兼クルーザーの船長が、トランペットを取り出しました。
エンジン音を止めると湖は嘘のように静かになります。
そこへ、トランペットの音色を轟かせると…。

クルーザーの上でトランペットを響かせると・・・ ≪写真:野添ちかこ≫

クルーザーの上でトランペットを響かせると・・・ ≪写真:野添ちかこ≫

2,3秒ほど間をあいて、ラッパ音が跳ね返ってきました。そう、「こだま」です。

跳ね返ってくる音の大きさは、場所によっても変わるとか。なんでも、先代がたまたま訪れたドイツの山岳地帯の湖でこのようなパフォーマンスがあったそうで、丸駒温泉旅館でもラッパのパフォーマンスをやるようになったのだとか。朝の湖上散歩は最高に楽しい時間でした。

ライフジャケットを着てクルージング ≪写真:野添ちかこ≫

ライフジャケットを着てクルージング ≪写真:野添ちかこ≫

ぷくぷく温泉で瞑想タイム

この宿の名物、「天然露天風呂」は100年を超える宿の創業以来、変わらず湧き続ける神秘の湯。大正4年創業。その前年に、初代・佐々木初太郎が、深いやぶに覆われていた原生林を切り拓き、宿をつくりました。初太郎は、大王製紙が紙の原料となるパルプをつくるため、電力をおこす発電所で土木工事を行っており、300人の人夫を抱える棟梁だったといいます。坐骨神経痛に悩み、アイヌの知人から病に効く温泉があると伝え聞いてこの地へとやってきました。当時は道路はなく、船で渡ってきたというロマン溢れるお話です。

伝説の湯はいまも湖の際にあって、湯守が砂利を出し入れすることでお湯の量、温度などを調整しています。ぷくぷくと湯の玉が不規則にあがるのは、足元から湯が湧いている証拠です。

女性用の露天風呂。風呂の水位は湖の水位と同じ ≪写真:野添ちかこ≫

女性用の露天風呂。風呂の水位は湖の水位と同じ ≪写真:野添ちかこ≫

自然がつくる神秘の湯だから、湯舟の深さは毎日異なります。
この日の深さは80㎝程度。座るとあごまでどっぷりと湯に浸かるほどの深湯。
雪解け水が徐々に浸透していって、夏~秋はもっとも水量が多くなり、130㎝から160㎝近くまで深くなるそうです。立ち湯の中ではトップクラスの深さでしょう。

泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物・炭酸水素・硫酸塩泉。
温泉分析書では露天風呂の温度は44.8℃となっていますが、入った感触では38℃台でしょうか? 冷たすぎず、熱すぎず、優に1時間は入っていられるほどの温度でした。湯に肩まで浸かって頭上の緑を見上げながらしばらくぼーっとしていると、体のこわばりがほどけていきます。普段力の入っている背中も肩もお尻の筋肉もほどけて、全身の筋肉はもちろん、口の端までゆるんでいくような癒しの湯でした。

後から、常連さんとおぼしきグループがやってきて、年配の引率者が年若い学生さんにこの湯の歴史を解説していました。
「昔はね、岩の囲いもなかったんだけど、水上バイクが流行ったときがあって、むこうから見えないように岩が高く積まれたのよ」。

足元から湧く野天風呂の湯は木々の緑をも映しこむ、まるで鏡のようなお風呂。露天風呂は少しぬるめなので長めの入浴ができます。

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大浴場の方はうぐいす色のにごり湯。湯舟が二つあるのは温度差のあるぬる湯とあつ湯。
朝は周辺の宿泊客も朝10時を目指して押し寄せる人気の湯。東京から最も近い北海道の秘湯です。

女性用の露天風呂は緑がかったにごり湯 ≪写真:野添ちかこ≫

女性用の露天風呂は緑がかったにごり湯 ≪写真:野添ちかこ≫

  • 丸駒温泉旅館
    ●北海道千歳市幌美内7番地
    ●全56室
    ●IN 15時/OUT 10時
    ●1泊2食11,000円(夏季は13,000円、消費税・入湯税別)~、レイククルージング一人2,700円(2名~)
    ●日帰り入浴 可(10~15時、大人1,000円)

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