伊東の歴史に想いを馳せ、優雅な船旅に酔う ~星野リゾート 界 アンジン(静岡県)~

チェックイン時に渡されるBoading Tiketは旅の記念に ≪写真:野添ちかこ≫

伊豆ならではの海の幸、柑橘類などがふんだんに ≪写真:野添ちかこ≫

伊豆ならではの海の幸、柑橘類などがふんだんに ≪写真:野添ちかこ≫

「どうぞ、船旅をお楽しみください」。

手渡されたのは帆船のイラストが描かれたBoarding Pass。

これから始まる航海に、ワクワク気分が高まって自然に笑みがこぼれてきます。

と言っても、本当に船旅に出かけるわけではなく、Boarding Passは宿へのチェックインのチケットでした。こんな仕掛けがいくつもちりばめられていて、滞在している間に、何度も驚きの声をあげてしまいました。

建物はすべてスクラップアンドビルドで新築されたそう ≪写真:野添ちかこ≫

ここ、「星野リゾート 界 アンジン」は静岡県・伊東温泉に2017年4月にオープンした宿。

江戸時代の初期、徳川家康公の外交顧問として重んじられ、青い目のサムライとも称された三浦按針(ウィリアム・アダムス)の名を冠し、「海」や「船旅」をテーマにデザインされています。

界アンジンのフロント横の壁は古船を解体した船材のパーツを使ったオブジェが飾ってあります。葉山の古民家の欄間もアクセントに ≪写真:野添ちかこ≫

フロント横の壁は古船を解体した船材のパーツを使ったオブジェが飾ってあります。葉山の古民家の欄間もアクセントになっています ≪写真:野添ちかこ≫

この宿は温泉旅館ではありますが、伊東の地で日本初の西洋式帆船を造った英国人航海士・三浦按針にちなんで、英国風のインテリアに彩られています。ウエルカムティーは紅茶、客室のお茶菓子はショートブレッド、トラベルライブラリーには帆船の模型が置かれ、他ではあまり見たことのない空間が広がっていました。

こちらでチェックイン ≪写真:野添ちかこ≫

こちらでチェックイン。トラベルライブラリーなので好きな本を選んでゆっくり寛ぐのもよいでしょう  ≪写真:野添ちかこ≫

客室に入ると、海の景色とともに目に飛び込んできたのは、ベッドルームを仕切る木のパーテーション。宿泊したオーシャンビュースイートの客室は重厚なキューブ型の木材がまるで積み木のように天井まで積み上げられていて、圧倒的な存在感を示していました。

オーシャンビュースイートのパーテーション ≪写真:野添ちかこ≫

オーシャンビュースイートのパーテーション ≪写真:野添ちかこ≫

ツイン・ダブルルームの客室は葉山にあった古民家の欄間を使ったりとこれまた素敵。一般的な和風旅館では見たことのないこのインテリアデザインを手掛けたのは、グランドハイアットやハイアットリージェンシーなどの内装デザインを行ってきたSUPER POTATOという設計事務所だそうです。

201706オーシャンビューツイン

こちらは「オーシャンビューツイン」。古民家の欄間がこんなパーテーションに生まれ変わるとは! ≪写真:野添ちかこ≫

西洋式のインテリアだけれど、壁は漆喰、洗面所などの床石は御影石を使っていて落ち着けます。アナログのレコードから流れてくる音楽を聴きながらお酒を飲んだり、ティータイムを楽しんだり。とにかく落ち着く空間でした。床材は無垢のフローリングで裸足で歩くのも気持ちいい!

湯上がりデッキでビール飲み放題

浴室は青い海を一望できるロケーション。

大浴場の大きな窓からは左下になぎさ公園が見下ろせますが、外からは見えないようにガラスにシートが貼ってあるとのことで、眺望のよさは確保しつつ、安心して入浴ができます。

最上階の8階にある大浴場。こちらは女性用 ≪写真:野添ちかこ≫

最上階の8階にある大浴場。こちらは女性用 ≪写真:野添ちかこ≫

湯上がり処は按針が日本で初めて造った「サン・ブエナ・ベントゥーラ号」の名前から「サンブエナデッキ」という名がつけられ、船の甲板をモチーフに海を望むデッキがつくられています。長い航海のために、当時は水代わりにビールが積まれていたそうですが、ここではビールが飲み放題!

なぎさ公園がすぐ下に。海風が気持ちいい! ≪写真:野添ちかこ≫

なぎさ公園がすぐ下に。海風が気持ちいい! ≪写真:野添ちかこ≫

青い海を眺めながらカンパーイ! ≪写真:野添ちかこ≫

青い海を眺めながらカンパーイ! ≪写真:野添ちかこ≫

長い航海に耐えられるようアルコール度数を上げ、ホップを強めにしたインディア・ペールエールなどビール2種と伊豆名産のぐり茶などが15~19時の4時間、飲み放題になっています。さらにアイスキャンディーもサービスされています。デッキにおいてあるランプは船で使っていた本物で、船旅気分を高めます。

こんなの見たことない! 布、古書、段ボールがインテリアの一部に

食事処は路地をイメージして設計され、え? という驚きの素材で仕切りとなるパーテーションが作られています。金型を組み合わせた和柄や、古書を重ねた壁、布の端材を幾層にも重ねたもの、段ボールを重ねて波のような模様を出したもの、染めた新聞紙、アクリル、金属製のアルファベットを組み合わせたもの……と素材は13パターン。食事処でここまで遊ぶことができるんだというデザインの可能性を感じて、楽しくなります。

食事処にはこんな斬新なパーテーションが使われています ≪写真:野添ちかこ≫

食事処にはこんな斬新なパーテーションが使われています ≪写真:野添ちかこ≫

古布、段ボール、新聞紙がこんな壁に大変身! ≪写真:野添ちかこ≫

古布、段ボール、新聞紙がこんな壁に大変身! ≪写真:野添ちかこ≫

空間のみならず、メニューも一風変わっていて、伊豆らしい食材に英国のエッセンスをちりばめた会席料理です。

先付けは和のフィッシュアンドチップスでポテトにはカツオ出汁のきいた醤油ソルトがまぶしてあって日本酒にもワインにもビールにもよく合います。八寸は英国のアフターヌーンティーをイメージして、帆船のような木のハイティーツリーに、海老の松風、そら豆玉寄せ、赤貝とわけぎのぬた、鱒の木の芽寿司、菜の花利休和え、五色饅頭、合鴨ロースが色彩豊かな色合いで盛られています。

八寸の皿はまるでティータイムのお菓子のよう ≪写真:野添ちかこ≫

八寸の皿はまるでティータイムのお菓子のよう ≪写真:野添ちかこ≫

お刺身にはエディブルフラワーが散らしてあって、梅肉と甘酒をミックスしたソースが垂らしてあるといった具合。醤油以外にもレモン塩でさっぱりといただくのも新鮮です。

鮮魚と柑橘の紙蓋焼きは英国のシェパーズパイをイメージしたもので金目鯛やエビなど海の幸の上にオレンジやレモンがのっていて見た目も美しい。一般的な和食会席と比べるとアレンジの仕方が面白いですね。最後の甘味はぐり茶のソフトクリームのほか3種類から選べます。

伊豆ならではの海の幸、柑橘類などがふんだんに ≪写真:野添ちかこ≫

伊豆ならではの海の幸、柑橘類などがふんだんに ≪写真:野添ちかこ≫

楽しみは食事と温泉だけではありません。

食事後にロビーで行われるご当地楽は、「青い目のサムライ紀行」。三浦按針が貿易船で英国から日本に漂着後、いかに日本初の西洋式帆船を作り上げたのかを映像と臨場感あふれるスタッフのナレーションでお勉強できます。

夕食後は「ご当地楽」。伊東の歴史を知ることができて満足です ≪写真:野添ちかこ≫

夕食後は「ご当地楽」。伊東の歴史を知ることができて満足です ≪写真:野添ちかこ≫

キュウリとライムを入れた英国のハーブリキュールを使ったパーフェクトピムスを片手にソファで素敵な夜を過ごすのもこの宿ならではの楽しみ方です。

星野リゾート 界 アンジン

  • 静岡県伊東市渚町5-12
  • 全45室
  • IN 15時/OUT 12時
  • 1泊2食オーシャンビューツイン29,000円~、オーシャンビュースイート39,000円~(消費税・入湯税別)
  • 日帰り入浴 不可

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