神秘の湯や伝説の洞窟風呂って? 黒川温泉(熊本県)の温泉が魅力的なお宿レポ

熊本地震から1年が経ち、いまも休業中の宿が2軒あるというけれど、そんな傷痕は感じさせないほどに、町並みには賑わいが戻っていました。私が巡った中でとくに個性的で魅力的なところをピックアップしてご紹介いたします。

硫黄の香りに包まれて
和風旅館 美里

宿の佇まいはコンクリートの外観ではありますが、玄関を入った瞬間に、プーンと硫黄の香りが立ち込め、ここの湯が明らかに黒川の他の温泉とは違うとわかります。湯は温泉分析書によると、pH5.2、毎分200リットルの硫化水素型の単純硫黄泉。「シルバーなどのアクセサリー類は変色の恐れがございます」という注意書きが貼ってありました。真っ白いにごり湯を期待して女性用の露天風呂へと向かうと……。

女性用の露天風呂は透明。でも湯口はこんな感じ ≪写真:野添ちかこ≫

女性用の露天風呂は透明。でも湯口はこんな感じ ≪写真:野添ちかこ≫

あれ? 白くない……。お湯は期待通りの白濁ではなく無色透明でした。でも、硫黄の成分が濃いことを物語っているのは、湯口にびっしりと付着した湯の花を見れば分かります。

宿のおばちゃんに話を聞いてみると、「女性の浴槽は透明だったり、男性は白だったり、何十年見ていても分かりません。スーと薄濁りし始めたかと思うと白濁したり、ある日は青みがかった白濁だったり……。ほかの宿の泉源とは掘っている深さ、岩盤が違うのでこんな泉質なんでしょう。肌にはとってもやさしいお湯なんですよ」。神秘の湯を体感したいならぜひこちらの湯宿へ行くべし。

内湯は濁っていました ≪写真:野添ちかこ≫

内湯はよい感じに濁っていました ≪写真:野添ちかこ≫

1泊2食13,000円(消費税・入湯税別)~

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伝説の洞窟風呂は外国人に大人気
山の宿新明館

黒川温泉のドンがつくった、伝説の洞窟風呂――。
超有名なあのお方、後藤哲也さんが金槌とノミで掘った、洞窟風呂です。
「岩戸風呂」(混浴の露天風呂)の入口には茅葺屋根の門があります。

岩戸風呂へと向かう茅葺の門 ≪写真:野添ちかこ≫

岩戸風呂へと向かう茅葺きの門 ≪写真:野添ちかこ≫

驚くのは外国人観光客の多さ。玄関へ向かう橋の上でも記念写真を撮っていましたし、混浴風呂も「MIXED」の表示があって、男女混浴をする外国人の姿もちらほら。ここは日本人はもちろん、外国の方にも一度は訪れてみたい温泉宿になっているようですね。混浴の洞窟風呂のほかに、女性専用の洞窟風呂もあります。

女性用の洞窟風呂。肉眼ではもう少し暗くて雰囲気あります ≪写真:野添ちかこ≫

女性用の洞窟風呂。肉眼ではもう少し暗くて雰囲気あるかも? ≪写真:野添ちかこ≫

1泊2食15,000円(消費税・入湯税別)~

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2016年の新オープン
黒川温泉御処 月洸樹

敷地4500坪にたった8室だけの贅沢な造り。
ここは大分県出身の建設業などを営む社長が2016年10月に新たにオープンさせた宿。社長は若干46歳。17歳頃からツーリングで黒川温泉の地蔵湯に入りに来ていて、いつか、宿をやりたい、という夢が叶ったというなんという素敵なお話を伺いました。

客室のトイレの中に石をくりぬいた手洗い台がおいてあったり、壁は藁を練りこんだ土壁だったり、かと思えば古木を邪魔しない桃色の和紙がダイニングルームを彩っていたり、モダンで斬新なデザインが目を引きます。なかでもすごいのが客室にある和牛や川魚を焼く囲炉裏のテーブルの下が足湯だったこと! こんな足湯付きの客室は2室あるそうです。

kれは初めてみました。まさかの足湯付き! ≪写真:野添ちかこ≫

これは初めてみました。まさかの足湯付き! ≪写真:野添ちかこ≫

すべての客室に露天風呂がありますが、貸し切りの「天空露天風呂」は棚田、風車、山々を見渡して絶景。10人くらいは入れそうな大きさでこれまた贅沢。

上るのは大変ですが、高台にあるからこそのこの絶景 ≪写真:野添ちかこ≫

ここまで登るのは大変ですが、高台にあるからこその絶景です ≪写真:野添ちかこ≫

入湯手形では日帰りの利用はできず、隣の日帰り入浴施設「彩もみぢ」のみの利用となります。
1泊2食54,000円(消費税・入湯税別)~

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異空間の驚き
お宿 のし湯

「旅館ふじ屋」の別館としてオープンして約20年。1200坪の敷地にわずか11室の客室で、一歩足を踏み入れた瞬間から異空間に紛れ込んだような不思議な感覚がしてわくわくが止まりません。

そう、ここはクリエイティビティあふれる館主が遊び心いっぱいで作ったお宿で、曲がり木を手すりにしたり、栗の木を使って浴槽をつくったり、温泉で錆びさせた鉄を看板に使ったりととにかく楽しいお宿です。

苔むした庭にはこんな石像が! ≪写真:野添ちかこ≫

苔むした庭にはこんな石像が! ≪写真:野添ちかこ≫

雑木林に囲まれた露天風呂は木漏れ日のなか湯浴みができて気持ちよく、自然を生かした造形美がなんとも心地よいのです。男性がつくったはずなのに女性的な雰囲気がするのは、調度品を選んだ女将の感性によるものでしょうか。

男女別露天風呂のほかに家族風呂が4つも。こちらは栗の木を使ったという「宙ろく風呂」 ≪写真:野添ちかこ≫

男女別露天風呂のほかに家族風呂が4つも。こちらは栗の木を使ったという「宙ろく風呂」 ≪写真:野添ちかこ≫

1泊2食20,000円(消費税・入湯税別)~

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≪おまけ≫

月洸樹が「風℃ 」というカフェを姉妹店として出していました。
赤牛バーガー専門店で、ボリュームたっぷり。こちらは風℃オリジナルバーガー850円。赤牛のパテの上にトマトがのってジューシー。

ちょっと食べにくいけど、ガッツリ行きましょう(笑) ≪写真:野添ちかこ≫

ちょっと食べにくいけど、ガッツリ行きましょう(笑) ≪写真:野添ちかこ≫

ほかに赤牛のサーロインを使った「サーロインバーガー」2500円もあります。旅館料理に飽きたら、こんなバーガーが食べたくなる!?

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