アトピー聖地のオシャレな温泉宿 ~川島旅館(北海道)~

ぬるんぬるんのてっかてか。

ほかでは出合ったことのないような“びっくり温泉”が、ココ。

町営のふれあいセンターの浴場。湯治用の浴槽には油が浮いています

町営のふれあいセンターの浴場。湯治用の浴槽には油が浮いています ≪写真:野添ちかこ≫

“アトピー患者の最後の砦”

“救いの聖地”ともいわれる、北海道・豊富温泉。

大正15(1926)年に石油試掘をしているときに、天然ガスとともに温泉が湧き出て以来、やけどや乾癬、アトピー性皮膚病に効果がある、と口コミでジワジワとその知名度を上げてきて、今では皮膚科医が太鼓判を押すアトピーの聖地なのです。

2016年7月にリニューアル 木の香漂うナチュラル志向の宿

開湯90周年を迎える豊富温泉の老舗宿である川島旅館がリニューアルしたのは平成28(2016)年7月。

川島旅館外観

川島旅館外観 ≪写真:野添ちかこ≫

入ってまず思うのは、空間が気持ちいい! ということ。

無垢材の床に漆喰の塗り壁、北海道という土地柄にマッチしたナチュラルなデザイン。ロビーから木の階段へと続く空間は吹き抜けになっていて、光を取り込み、広々と見えます。

「友人の建築士がデザインし、細かなことを話し合いながら、理想の旅館をつくりました」。結婚前は建築系の仕事をしていたという若女将のアイデアが随所に取り入れられ、居心地のよい空間になっています。例えば、らせん階段の下の部分はデッドスペースにすることなく、小さなお子さんが遊べるかわいらしいキッズルームに。2階の客室前の廊下には、文庫本などを収納できる本棚が設けられ、ロビーには寒くなると暖炉の火が灯ります。

客室はシングルルームあり。一人客にやさしいのは、湯治場ならでは

客室はシングルルームあり。一人客にやさしいのは、湯治場ならでは ≪写真:野添ちかこ≫

3代目がつくる料理は長期滞在客にも対応

そして、この宿、料理もいいんです。

3代目若旦那が厨房で包丁を握っています。

札幌の料亭で板前修業をした3代目若旦那が、昨年1年間の休業期間中に、山形のアルケッチャーノの奥田シェフ、トゥーランドット・游仙境の脇屋シェフに弟子入りして和・洋・中のメニューをマスター。長期滞在するお客様に対応している、ということ。2週間も3週間も、あるいはそれ以上滞在されるお客様が多いという豊富温泉ならではで、料理メニューのバリエーションには気を遣っているそうです。

ある日のメニュー。お客様の要望にも細かく応えてくれます

ある日のメニュー。お客様の要望にも細かく応えてくれます ≪写真:野添ちかこ≫

違いは、“油”にあります

豊富温泉の何が違うのか、というと、その秘密は「油」にあります。

旅館の浴槽では、表面に浮いている油はないので、洋服に色がつくほどではないけれど、緑がかった白濁そしてときには黄褐色の湯に、ちょっとだけ湯花が混じっています。

アトピー性皮膚炎や乾癬によいといわれている温泉だけあって、肌への影響はかなり良さそうです。

よく、アルカリ性単純温泉が美肌の湯、といわれるけれど、油分や汚れを取り去ってしまう石鹸のような働きをもつアルカリ性の温泉とはまったく逆の発想。ここは「油」が入っているのが、肌によいのです。塩分が肌に水分を閉じ込め、油がコーティングをすることで潤い成分を逃がさないのでしょう。入った後は本当にしっとりとみずみずしい肌になります。

奥が源泉そのままのぬる湯、手前は加温した浴槽。露天風呂もあります ≪写真:野添ちかこ≫

奥が源泉そのままのぬる湯、手前は加温した浴槽。露天風呂もあります ≪写真:野添ちかこ≫

泉質は、含ヨウ素‐ナトリウム‐塩化物泉。

塩分はかなりの濃さです。植物性の石油臭が浴室中にぷうんと漂って、癒されます。

ここ何年も足裏の角質が固くなっていたけれど、翌日は足の裏がふっくらつるりん。油の威力を知りました。1日でこれだけ違うのであれば、1週間いたら10歳くらい若返ってしまうかも!?

今度はゆっくり湯治に行きたい、忘れられない温泉になりました!

川島旅館

  • 北海道天塩郡豊富町字温泉
  • 全17室
  • 1泊2食 1万1000円(1室1名利用シングル)~、1万1000円(1室2名利用ツイン)~(ビジネス、素泊まり利用もあり)
  • IN 15時/OUT 10時
  • 日帰り入浴 可(8~22時、800円)

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